写真提供:石飛伸治氏 |
「春曉」 孟浩然 春眠不覺曉 處處聞啼鳥 夜來風雨聲 花落知多少 春眠暁を覚えず 処々啼鳥を聞く 夜来風雨の声 花落つること 知んぬ多少ぞ 「唐詩選」 |
【通釈】起句 春の眠りの心地よさに、夜が明けたのも気付かないでなおうと うと。 承句 窓の外は、あちらこちら小鳥のさえずり。 転句 そういえば、ゆうべはは激しい吹き降りだったが。 結句 庭の花々もだいぶ散ってしまったことだろうなあ。 【語釈】春眠 春の心地よい眠り。 不覺曉 夜の明けたのも気がつかない。 處處 あちらでも、こちらでも。 啼鳥 鳥の啼きごえ。 夜來 昨夜。 知多少 どれほど・・・か、さぞたくさん・・・だろう。 「多少」には、@多い、A多いか少いか、の二つの意味がある。 Aの場合は疑問詞的用法となる。この詩は@とAを含んで味いた い。 「知」(しる)は下に疑問詞を伴うと「不知」(しらず)の意味を もつ。 【押韻】上声十七篠韻、曉、鳥、少、五言絶句は普通起句には押韻しないが、 【解説】 春の目覚めの心地よさの中で、ゆく春を惜しむ平和で充ち足りた情 |