フォト&漢詩


 (第11作品)  令和の春   土屋昇三
 
 
 (第10作品)  青春群像   喜多 基




                                                              


 (第9作品)  翡翠(かわせみ)   城田六郎

   翡翠       かわせみ       城田六郎
 秋深魚影少蘆頭  秋深く魚影蘆頭に(まれ)なり

 盡日閑多枝上留  尽日 閑にして  枝上に留まること多し

 悅目碧毛高貴色  目を悦ばす 碧毛 高貴の色

 漢宮女競繡衾裯  漢の宮女は競って 衾裯(きんちゅう)(ぬいとり)

(注)衾裯は夜着のこと。


(写真説明)   藤沢市大庭・親水公園、  写真提供 宮田昌之氏


                                                              



 (第8作品)  薩摩知林島  柴本信子


                                                              




 (第7作品)  屋久島  柴本信子



この漢詩は2015年4月1日から5月24日まで開催された「第53回北九州芸術祭」 漢詩部門の北九州漢詩団体で金賞を
受賞した作品です。
                                                                  




 (第6作品) 題木彫佛像  城田六郎




 (第5作品) 月山  岡崎満義




(第4作品) 金港雪朝  窪寺貫道



 (第3作品)報国寺  横溝喜久男
   
  



 (第2作品)蟷螂(カマキリ)  水城まゆみ

                  




(第1作品 その2) 竹林   川上修己 

西郊遊歩         川上 修己

  小秋風穩又清涼  小秋 風穩かにして又清涼なり

  散策何邊金桂香  散策 何の処か金桂香る

  路畔龍孫曾脱蘀  路畔の龍孫 曾て(たく)(竹の子の皮)を脱し

  今看靑翠満幽篁  今看る靑翠 幽篁に満つ

前に詠んだ詩「東郊遊歩」に対して秋の相模原公園を散策して竹林を訪れてみた。春の竹の子は立派な修竹(長い竹)に成長していた。しかし背が伸びすぎていて先を切られていた。(写真)公園の管理上周りとの調和を保つためにやむおえない事なのかも知れないが残念であった。場所が異なるが座間市の「座間谷戸山」公園を秋の一日散策した。ここには立派な竹藪があり春は多くの竹の子が管理されて、秋には鬱蒼とした藪になっていた。ここの管理棟の白板にいつも漢詩一詩が記されている。神奈川漢詩連盟理事の岡田康男さんによるものである

 



(第1作品その1) 竹の子   川上修己
      東郊遊歩        川上 修己

  春林緑動萬枝鮮  春林 緑動し 万枝鮮やかなり

  雨霽光風度陌阡  雨霽れ 光風 陌阡を度る

  三尺龍孫昨三寸  三尺の龍孫 昨は三寸

   槍鋒暢達刺蒼天  槍鋒 暢達し天蒼を刺す

詩題を探しに近くの相模原公園を散策した。ここは子供連れや老若男女の憩いの場所となっている。春夏秋冬時期に合わせた花々が咲き乱れ来園者を和ませてくれる。好天の春日に出掛けてみた。公園の片隅に日本庭園があり、わずかばかりの竹林に数本の竹の子が伸びていた。すでに親竹を越えようとするものもあり、その生命力に驚かされた。

  
 東郊遊歩=春の郊外を散歩す

 光風=雨上がりの風

 陌仟=耕地の間に縦横に通ずる道、あぜ道

 龍孫=竹の子の別名

 槍鋒=槍の先

 暢達=すくすくと育つこと