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オンライン吟行会8/30 8/21締切 まだ間に合います!

令和7年度研修会 12/19、24 開催予定

漢詩鑑賞会A特別企画 「玉井幸久先生百壽玉詠」掲載中

5/29令和7年度総会・漢詩講演会YouTubeフォトライブラリ できました

令和7年度漢詩入門講座終了 卒業詩受賞作品掲載しました。

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今月の漢詩鑑賞 25.7 (過去の作品は アーカイブ に掲載中です)

画 鈴木栄次
(今回で鈴木栄次氏は水墨画の担当を勇退されます。鈴木様 長い間ありがとうございました。)

室橋幸子氏による中国語の朗読はこちらをご覧ください。

【通釈】
起句 雨上がりの相模川の峡谷には青いかすみがたちこめて、
承句 小舟に酒を載せて舟遊びをするには絶好の風景だ。
転句 舟上の客も川も山も皆古なじみばかり、
結句 みんなの笑い声が鴬の歌声と響きあうのを聴きながら行くこの楽しみ。

【語釈】
壬申…みずのえさる。昭和7年(1932)
湘江…ここでは相模川をいう。洞庭湖に注ぐ大河の湘江に擬す。
雨餘…雨降りのあと。雨あがり。
翠嵐…山にかかる青いかすみ。みどり色の山気。
扁舟…小舟。
載酒…酒をもって行く。
舊識…もとからの知り合い。ふるなじみ。

【押韻】
平声 歌韻。多、過、歌、

【解説】
簡野道明(1865~1938)は明治、大正、昭和の漢学者。愛媛県出身。宇和島藩の支藩である吉田藩の武士の家系。東京高等師範學校を卒業後、東京女子高等師範学校(お茶の水女子大学の前身)教授となった。編著に「字源」「唐詩選詳説」等がある。
この詩は作者68歳の作。著作活動に忙しい中のひと時を旧知と相模川の峡谷に舟遊びを楽しんだ様子を詠んだもの。転句から判断すると作者達はこの地に幾度か遊んだことがある様子。又作者には他に「庚午八月避暑金澤」と題する詩もあり、神奈川県に関する詩も多く残されている。いずれの詩も文人の詩らしく清らかな響きを持つた美しい詩となっています。以上(玉井幸久氏)