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今月の漢詩鑑賞 25.11 (過去の作品は アーカイブ に掲載中です)
画 犬飼勇雄氏
【通釈】
起句 群がっていた鳥たちは残らず高く飛び去り、
承句 空に浮かんでいた一片のはなれ雲は遠く流れ去ってしまった。
転句 独り座す私とじっと見つめ合って、互いにいつまでも厭(あ)きないのは、
結句 ただこの敬亭山が有るだけだ。
【語釈】
敬亭山…山名。安徽省、宣城(せんじょう)市の北に在り高さ320余メートル。千巌万壑大小の峰より成る。南朝・齊(せい)の謝朓(しゃちょう)(464ー499)が宣城の太守となって赴任し多くの詩を残したが、中に「敬亭山詩」がある。(文選)
衆鳥…多くの鳥。
孤雲…①はなれ雲。②貧士、又は賢士にたとえる。
閒…①しずか。②へだたる。(註)一書ではこの字は閑となっている。閑はしずか。
不厭…いとわない。 あくことがない。
【押韻】
平声 刪韻。閒、山、
【解説】
この詩は天宝12年(753)、李白(701ー762)53歳時の作。李白は天宝3年、讒により楊貴妃に疎まれて長安を去ってから各地に歴遊し多くの名士・詩人と交わった後、天宝12年の秋に宣城に到った。宣城はかねて彼の敬慕する六朝の詩人謝朓が太守となり「敬亭山詩」を遺した処。李白は早速この山を訪れ、独り秀峰に対座して万感の思いを此の詩に託した。詩は五言絶句の短い構成乍ら内容のこもった味わい深いものとなっている。起句・承句には隠逸詩人陶潜の詩のおもむきを漂わせるわせる一方で、敬亭山の自然を擬人化した詩の構成により、これまで自ら交遊した多くの人士を衆鳥に、また謝朓を孤雲に擬しているように見える。人間(じんかん)の変転と関わり無く悠然と拡がる山々の大自然と一体化して独り坐す自らの心情を見事に詠じたもので、その姿を眼前に髣髴とさせてくれるような傑作です。以上(玉井幸久氏)