日中台漢詩交流

  

 神漢連会員の朱妙桃さん編集の日本語による「李白作・早發白帝城」の動画解説です。
皆様お楽しみください。
 


  日台漢詩交流(台湾漢詩ツアー)
  神奈川漢詩連盟の第2回漢詩ツアーの訪問地は台湾で、14名の参加者をえて令和元年9月8日から11日まで3泊4日で日程催行された。成田空からの出発で最初の訪問地は高雄で、同地では珍しい南国の果物や食事に舌鼓を打った。2日目は 台南、台中観光で高雄のシンボル的観光地、蓮池譚地区の龍虎塔では、龍の口から入り虎の口から出ると悪行が帳消しになるといういわれがあり楽しく潜り抜けた。台南では王育徳記念館も訪ねた。王育徳氏は全日本漢詩連盟の石川忠久会長と同じ大学で教鞭をとられ、日台文化交流に尽力された方である。3日目は列車で台北に移動し、今回のツアーのメインである日本と台湾の漢詩人交流会が開催された。席上揮毫に吟の交歓と盛り沢山で、名通訳もあり思い出深いものとなった。中でも住田先生の自詠自書自吟は我々漢詩愛好者、書や吟を愛好する者にとっての理想的だった。言葉の壁はあれど趣味を同じくする者同士、打ち解けあい楽しいひとときであった。4日目は午前中故宮博物院を見学した。午後の便で台北を出発して帰国の途につき、無事羽田空港に着いた。以下に参加した長岡巨知氏の旅行記を示す。

 
 



 日中漢詩交流(中国西安・敦煌ツアーの詳細(2/2)
 
 

日中漢詩交流(中国西安・敦煌ツアーの詳細(1/2))

平成30年、中国漢詩ツアーは下記のような日程で開催されました。15名の会員が連盟主催の西安と敦煌の中国漢詩ツアーに参加しました。漢詩に関係した各地名所を見学すると共に西安交通大学においては同大学教授金中先生を中心とした中国の若手の先生や学生さんと漢詩について討論会を行った。本漢詩ツアーについては後日詳細を追記いたします。
 
         
 月日 訪問地  訪問場所・行事   参加人数
9月19日 羽田→西安、西安 西安城壁散策・ホテル夕食  15名 
 9月20日  西安 兵馬俑・昼食・華清池・碑林博物館・興慶宮公園   同上
 9月21日  西安 古都文化大酒店・青龍寺・陝西歴史博物館
西安交通大学・交流会・夕食会
 同上
 9月22日  西安 昭陵博物館・乾陵・永泰公主墓・楊貴妃墓・餃子宴・鐘楼明月・観劇   同上
 9月23日  西安→羽田    9名
西安→敦煌、敦煌 玉門関・陽関・夕食 6名
 9月24日  敦煌 莫高窟・鳴沙山・中秋節月見の宴   同上
 9月25日  敦煌、敦煌→羽田 敦煌賓館 同上


 

城壁入口




 城壁の上

 


兵馬俑




興慶宮公園(阿倍仲麻呂碑})

 
 


陝西歴史博物館




西安交通大学での漢詩交流会議

 
 


西安交通大学・牛山さんの書

 


西安交通大学・西安大学学生の琴の演奏




昭陵博物館

 
 


楊貴妃墓

 


敦煌・陽関の関所跡

 


敦煌・陽関にある王維の像

 


敦煌・莫高窟

 


敦煌・中秋節月見の宴

 
● 日中漢詩交流(中国江南漢詩ツアー)
  今回のツアーは住田・古田両先生を筆頭に、九詩期会の他に好文会、八起会、十期会からも参加を得て総勢は13名。平成29年の10月25日出発、30日帰国。漢詩のふるさとを訪ねるだけでなく、現地の漢詩愛好者と交流をしようという大きな目的があった。
 交流会は旅の3日目、世界遺産「蘇州古典園林」の一つである蘇州最古の庭園「滄浪亭」の一室で「滄浪詩社蘇州詩詞協会」との間に行われた。
 蘇州大学教授で昆劇の研究家である周秦滄浪詩社長と住田先生の挨拶及び相互の紹介からはじまって、十期会の中野さんの依頼により「前赤壁の賦」が中国語で朗詠されると、周秦氏はじめ、魏嘉瓉前詩社長など詩社の皆さんの朗詠が次々続いた。民謡のように音楽的で、そのうえみなさん美声でよく声が通る。感動的で、当方は住田先生が詩吟を披露された後は、出番を失うくらいだった。

 そして書家の王淵青氏の書、画家の顧逸氏の画の席上揮毫があり、これには九詩期会の牛山さんが書を席上揮毫して応えた。和気あいあいの楽しい交歓会で、このあと昼食も近くの蘇州料理店で一緒に楽しんだ。

  交流会の様子を古田先生は、次のように詠まれた。


   滄浪亭中日詩社交流会     古田光子

  姑蘇訪到度秋風 姑蘇(こそ)訪ね到れば秋風度る

  古雅江亭和気充 古雅の江亭 和気充ちたり

  中日騒人親睦會 中日の騒人 親睦の会

  吟詩揮筆興無窮 詩を吟じ筆を揮いて興窮り無し


蘇州大学の呉雨平教授の講演会は「同化と異化―日本漢詩と中国古典詩歌伝統」と題して大学の教室で行われた。教授は、中国の漢詩では「志」を表すが、日本では「心」を表す。日本人は漢詩を「摂取醇化」して中国人の感性にはない独特の感情を表す「和臭」の漢詩を発展させたと話された。初心者の和臭ではなく、中国の漢詩とはまたひと味違う別の漢詩になっているという意味である。

講演終了後、住田先生が教室の黒板に次の詩を発表されると、教授以下中国人の学生も感心しきりであった。

   蘇州丁酉重陽         住田笛雄

  逆旅庭前蘇國秋 逆旅の庭前 蘇国の秋

    清光仰視獨閑遊 清光仰ぎ視て 独り閑遊

  重陽佳夜半天月 重陽の佳()() 半天の月

  遙憶故園君見不 遙かに故園を憶う 君見るや不(いな)

観光では上海の豫園や杭州の霊隠寺、西湖、水郷の烏鎮などを訪ね、寒山寺では八起会の長岡さんの指揮の下、詩碑の前で全員で「楓橋夜泊」を吟詠して中国人観光客の注目を浴びた。