トピックス

開催行事の写真と動画

 
神漢連の会員全日本漢詩連盟扶桑風韻漢詩大会で大活躍
令和2年度の扶桑風韻漢詩大会には全国より259篇の応募があり、入賞者は34名で、その内本連盟から7名の方が受賞されました。受賞された方には後日本ホームページに作品を掲載するとともに、作詩の背景や詩作で苦労したことなどを書いていただきたいと思っております。
 
 神漢連の会員各地の漢詩大会で大活躍
 
 
 
 
 
 
 
 
高芝麻子先生講演会風景 
 
 
 
 初心者入門講座風景


25名の受講生の指導者
 
 

寺小屋方式での学習(少人数指導)
 
  令和2年度の全国 漢詩の祭典(第35回国民文化祭みやざき2020)の受賞作品が決まりました。
 今年度は441首の応募があり、第一次から第三次の審査を経て、文部科学大臣賞を始め、受賞作が下記のように決まりました。作品は後日発表されます。
 



                 「神辞海」説明会をZOOMを使用して再開

コロナウィルスの感染問題により会場が人数制限やパソコンの貸し出し中止のため下記の神辞海ツールの開催を延期していましたが、8月に下記の日程でZOOMを利用して開催いたしました。また9月、10月も下記の通り実施予定です。
 
 
 
 神奈川県漢詩連盟「漢詩大会:コロナ禍克服を目指して」
  
  
  
  
  
  
  
 
                           「神辞海」説明会

コロナウィルスの感染問題により会場が人数制限やパソコンの貸し出し中止のため下記の神辞海ツールの開催を再度延期します。開会の目安がつきましたらホームページでお知らせいたします。
  神奈川県漢詩連盟の神辞会グループはPCやスマホで使用できる詩語の検索および七言絶句の平仄チェックのできるツール、「神辞海」を開発しました。「神辞海」使用法の説明会を下記の日程で行います。このツールの利用は神奈川県漢詩連盟の会員に限定されております。



 
全国各地の漢詩大会での当連盟会員の受賞者と作品 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 高芝麻子先生漢詩講演会
ホトトギスは春の終わりを告げ、蝉は哀しく秋に鳴く
 令和元年11月13日(水)神奈川近代文学館に於いて、横浜国立大学教育学部准教授の高芝麻子先生による「漢詩の四季、日本の四季」という題目の講演会が開催されました。会場は約150名の来場者があり盛会でした。
 「ホトトギスは春の終わりを告げ、蝉は哀しく秋に鳴く」から始まり、中国南朝時代の「子夜四時歌」にある春夏秋冬の詩を紹介され、次いで日本の「万葉集」に歌われている春夏秋冬の和歌が紹介され、それぞれに出てくる草花や鳥が両者でどのように詠われているかを解説してくださいました。次いで四季を「変化の季節・春秋」と「停滞の季節・夏冬」に分類され、それぞれに詠まれている漢詩についての講義がありました。最後に「ホトトギスとセミ」が日本と中国の漢詩で世界でどうして異なっているかの背景を先生の考察を含めて講義してくださいました。漢詩や和歌と俳句がたくさん紹介され、楽しく大変興味ある有意義な2時間でした。
 講演は下の左側の△ボタンをクリックすれば聴講できます。またこの講演で使われたプリントは右下の「ダウンロード」ボタンをクリックすれば印刷可能です。
 

講演会会場風景
 講演資料


 
 令和元年吟行会
 令和元年度の吟行会が11月6日(水)に行われました。東海道線の大磯駅に集合し、島崎藤村が晩年を過ごした邸宅と「西行法師の「こころなき身にもあわれは知られきり鴫立沢の秋の夕暮れ」と名歌に詠まれた地にあり、石仏「五智如来像」が収められている「鴫立庵」を見学しました。料亭「大内館」で昼食をとり、その後全日本漢詩連盟会長の石川先生により参加者が詠んだ柏梁体の講評が行われました。当日は例年以上に47名の参加者があり盛会でした。 


柏梁体
 
 
研修会 
  第一回目は十月二十三日、第二回目は十一月七日に神奈川近代文学館中会議室で行われ、各々十二首、十一首の応募がありました。 提出詩には、起承転結にも問題なく優れたものが多くありました。会は例年のごとく選句方式で行われ順位付けが行われ、初心者も上級者も活発に討議がおこなわれました。以下に、第一回と第二回の最高得点の方の詩を紹介します。
  
 
 第2回漢詩ツアー(台湾訪問)
  神奈川漢詩連盟の第2回漢詩ツアーの訪問地は台湾で、14名の参加者をえて9月8日から11日まで3泊4日で日程催行された。成田空からの出発で最初の訪問地は高雄で、同地では珍しい南国の果物や食事に舌鼓を打った。2日目は 台南、台中観光で高雄のシンボル的観光地、蓮池譚地区の龍虎塔では、龍の口から入り虎の口から出ると悪行が帳消しになるといういわれがあり楽しく潜り抜けた。台南では王育徳記念館も訪ねた。王育徳氏は全日本漢詩連盟の石川忠久会長と同じ大学で教鞭をとられ、日台文化交流に尽力された方である。3日目は列車で台北に移動し、今回のツアーのメインである日本と台湾の漢詩人交流会が開催された。席上揮毫に吟の交歓と盛り沢山で、名通訳もあり思い出深いものとなった。中でも住田先生の自詠自書自吟は我々漢詩愛好者、書や吟を愛好する者にとっての理想的だった。言葉の壁はあれど趣味を同じくする者同士、打ち解けあい楽しいひとときであった。4日目は午前中故宮博物院を見学した。午後の便で台北を出発して帰国の途につき、無事羽田空港に着いた。以下に参加した長岡巨知氏の旅行記を示す。

 
 



  神漢連叢書 「七言絶句ここから一歩(上) 佩文斎詠物詩選七絶抄・注釈」出版さる
  「七言絶句ここから一歩 佩文斎詠物詩選七絶抄」(平成27年神漢連出版)を購入された全国の県連の会員からは、自分で白文の漢詩を読んで理解するのは難しく、各首毎に読下しと判り易い語釈・通釈を求める声が多く寄せられていた。
 この度、上平声の詩304首について、神漢連内のベテラン会員(城田、飯沼、桜庭、故・田原、住田)が、平成27年から29年にかけて神漢連会員を対象に講義した資料に基づき、注釈書を出版することになった。石川忠久先生にはご多忙の中、監修をお引き受け頂きました。尚、詩人略伝は、唐から明までの代表的詩人187名を網羅している。B5版、257頁。
 本書では、日・月・山・河などの自然から、書画・寺仏などについての代表的陳物詩が鑑賞でき、さらに陳物詩を作る時のお手本となる。また、七言絶句は上平声の韻毎に並べられているので、各韻の代表的作例を学ぶことができる。
 是非ご購入下さい。
 頒布価格(実費)1500円。送付料別。   
 申込先   〒243-0412 神奈川県海老名市浜田町16-9 神奈川県漢詩連盟 事務局 高津有二
        TEL/FAx 046-233-7641  E‐mail : yutakatsu626@nifty.com

  


 
 神漢連令和元年度総会および講演会
  令和になって初めての第十四回神漢連総会 が五 月晴れの5月29日、午後一時から神 奈川近代文学館ホールにおいて、窪寺啓先生、市川桃子先生のご臨席を賜り、会員約60名が出席して開催された。 総会では、三村会長から本年度の活動方針として「漢詩を学ぶ、漢詩で遊ぶ」の連盟のスローガンを踏襲しながら、会員の詩力向上 を図るとともにパソコン、スマホを活用した活動も支援していくことが示された。
 次いで、事務局から活動報告、今後の活動計画、決算報告、予算計画、規約改定案、人事案が提案され、承認された。総会後の講演会では 市川桃子先生の「李白『白髪三千丈』」の講演があり、会員以外の一般参加者を含めて総勢130名を超える聴講者があった。
 

挨拶する三村会長


 

総会会場風景

 

講演する市川桃子先生

 

講演会場風景
市川桃子先生の講演聴講


 講演資料



神漢連会員「全漢連扶桑風韻大会」で大活躍

   
  


 漢詩初心者入門講座の開催
 
   

             漢詩初心者入門講座 教程           平成31年4月16 

            近代文学館中会議室     神奈川県漢詩連盟

第一回 4/16(火) 13301600

        1 会長挨拶

        2 名簿・教程の説明 

        3 漢詩の概論・構造・平仄 

        4 辞書・詩語集の紹介・平仄調べ

        5 漢詩鑑賞Ⅰ (中島)

第二回 4/24(水) 13301600

        1漢詩鑑賞Ⅱ 

    2 漢詩の構造Ⅰ・規則  七言絶句の平仄枠表

3 中国語朗読  

4 詩語集(太刀掛呂山)の見方 

        5 二行詩の実作 

         (宿題:2行詩あるいは1詩作り次回で検討する)

第三回 5/8(水) 13301600

        1漢詩鑑賞Ⅲ 

     2 規則の復習

        3 漢詩の構造Ⅱ・起承転結・読み下し・詩作の要点 

        4 宿題の少人数指導 (6070分)

         Aグループ    Bグループ

         Cグループ    Dグループ

         Eグループ    Fグループ

         Gグループ    Hグループ

          (宿題:1詩作成)

第四回 5/22(水) 13301600

1 漢詩鑑賞Ⅳ 

2 宿題の少人数指導

前回と同じグループ

3 卒業詩について

4 その他(質疑応答)

       卒業詩を事前に提出。527日(月)締め切り 川上修己宛Eメール、郵送、FAX

       

第五回 6/5(水) 13301600

    1 漢詩鑑賞Ⅴ 国字・和臭など

    2 宿題の卒業詩の講評指導  事前配布

    3 13期生の新グループの結成

    4 閉会(会長)   

 
講座の様子 



漢詩の基礎講義
 



中国語による漢詩の朗読
 
 
 

寺小屋方式教育
 

寺小屋方式教育

 
平成30年度神奈川漢詩連盟理事会の開催 
 平成31年2月1日に平成30年度の理事会が開催され、平成30年度の事業報告と31年度の事業計画案、規約改定案、および平成30年度決算および平成31年度予算案が審議され、提出された案件は審議のうえ承認された。
 

理事会の写真
 


平成30年度神漢連会員の漢詩大会での受賞者・受賞作品 
 



中国西安・敦煌ツアーの詳細
 


 
 市川桃子先生漢詩講演会
ー遠い友 心の旅ー

 
平成30年11月6日(火)神奈川近代文学館に於いて、明海大学名誉教授の市川桃子先生による「遠い友 心の旅」という題の講演会が開催された。会場は約100名来場者があり盛会であった。
 孔子の「朋有り 遠方より来たる また楽しからずや」から始まり、陶淵明や庾信などを取り上げ、その声に耳を傾け、思いを分かち合い、遠い友を探し出す、心の旅に出かけましょうという講演でした。論語と陶淵明と庾信らの漢詩20余首を紹介され、楽しく朋と旅した有意義な2時間でした。
講演は下の左側の△ボタンをクリックすれば聴講できます。またこの講演で使われたプリントは右下の「ダウンロード」ボタンをクリックすれば見ることができます。
 
   

市川桃子先生の講演聴講







講義プリント
 
 平成30年度研修会

恒例の連盟会員による研修会が近代文学館において、10月19日と24日の2回に分けて行われた。参加者はそれぞれ19名で両日とも提出されたそれぞれ15篇の詩に対して活発な討論がなされた。
 作者の名前を伏せた自由詩に、投票をしたうえで得点を集計して順位を決め、討論をおこない、最後に作者の名前を明らかにして作者の意見を聞いて再び議論を深めた。また19日には城田六郎さん、24日には櫻庭愼吾さんに提出された全詩について講評をしていただき大変有意義な研修であった。
 19日の組の1位には芝公男さんで、24日の組は岡嶋亘昭さんが選ばれた。会の最後に
得票の多い人と、得票は少なかったが敢闘された方にして三村会長から賞品(漢詩の本)を授与された。

     

 
 

研修会風景
 

三村会長から賞品授与
 
 神奈川県漢詩連盟主催中国(西安・敦煌)漢詩ツアー
中国漢詩ツアーは下記のような日程で開催されました。15名の会員が連盟主催の西安と敦煌の中国漢詩ツアーに参加しました。漢詩に関係した各地名所を見学すると共に西安交通大学においては同大学教授金中先生を中心とした中国の若手の先生や学生さんと漢詩について討論会を行った。本漢詩ツアーについては後日詳細を追記いたします。
 
         
 月日 訪問地  訪問場所・行事   参加人数
9月19日 羽田→西安、西安 西安城壁散策・ホテル夕食  15名 
 9月20日  西安 兵馬俑・昼食・華清池・碑林博物館・興慶宮公園   同上
 9月21日  西安 古都文化大酒店・青龍寺・陝西歴史博物館
西安交通大学・交流会・夕食会
 同上
 9月22日  西安 昭陵博物館・乾陵・永泰公主墓・楊貴妃墓・餃子宴・鐘楼明月・観劇   同上
 9月23日  西安→羽田    9名
西安→敦煌、敦煌 玉門関・陽関・夕食 6名
 9月24日  敦煌 莫高窟・鳴沙山・中秋節月見の宴   同上
 9月25日  敦煌、敦煌→羽田 敦煌賓館 同上


 

城壁入口




 城壁の上

 


兵馬俑




興慶宮公園(阿倍仲麻呂碑})

 
 


陝西歴史博物館




西安交通大学での漢詩交流会議

 
 


西安交通大学・牛山さんの書

 


西安交通大学・西安大学学生の琴の演奏




昭陵博物館

 
 


楊貴妃墓

 


敦煌・陽関の関所跡

 


敦煌・陽関にある王維の像

 


敦煌・莫高窟

 


敦煌・中秋節月見の宴

 
 ●平成30年度全日本漢詩連盟創立15周年漢詩大会開催さる
  9月8日(土)午後1時30分から、二松學舎大学九段一号館 中洲記念講堂で、平成30年度全日本漢詩大会 全日本漢詩連盟設立十五周年記念大会が盛大に開催された。
 今年の漢詩大会は、全日本漢詩連盟と共に東京都、神奈川県、千葉県の三県漢詩連盟の共催であった。石川忠久会長の挨拶、ご来賓挨拶の後、表彰式に移り、特別賞として文部科学大臣賞の巽 幸雄さん以下13名、秀作7名、入選13名に表彰状が授与された。 続いてアトラクションに移り、中学3年生の本多ゆとりさんの素晴らしい二胡演奏があり、会場全体から割れんばかりの大喝采が起こった。 別賞受賞作品吟詠では、尺八伴奏栗城笙童氏、琴伴奏は木村歌綾氏により、文部科学大臣賞「天龍峡舟遊」は「吟」鬼澤 霞氏、「書」吉澤鐵之氏による書道吟が披露された。次いで特別賞の5作品については、神奈川県日 中友好協会平 陽氏による中国語朗誦と横溝藍鵬氏、横山精真氏、清水蕗山氏、沼崎星翁氏、真島岳元氏の現在の日本を代表する吟詠家5氏による朗吟が行われ盛会であった。
 神奈川県漢詩連盟では漢詩大会において、俣野長生さんが特別賞作品(全国漢文教育学会会長賞)、生駒祐子さんが秀作賞、入選作品に板本健作さんが入選された。

 
 

平成30年度全日本漢詩大会
全日本漢詩連盟設立十五周年記念大会

 

石川会長による特別賞作品の講評

 

 

 
 
 平成30年度神奈川県漢詩連盟総会・懇親会・石川忠久先生特別講演

  平成30年度神奈川県漢詩連盟総会・懇親会・石川忠久先生特別講演会が5月30日開催されました。総会は約70名の出席者があり、29年度活動報告と30年度の活動予定、決算と予算案、規約改正、人事案などが審議され、満場一致で承認された。懇親会は40名が出席し、スピーチや吟詠など和やかな懇親会であった。
 午後3時からから行われた石川忠久先生の講演「白楽天の詩と人生」は約200名の聴講者があり、その大半は会員外の一般の方で盛会であった。なお、先生の講演はプリントをダウンロードして、下のボタンを押して聴講してください。

    


総会


懇親会
 

講演する石川先生
 



講演使用プリント





石川先生の講演
 
 
 ●平成30年度初心者入門講座始まる

  
今年度の初心者入門講座が横浜市の神奈川近代文学館で受講生22名を迎え4月20日より開始された。初回は漢詩鑑賞、漢詩の基礎についての講義が行われ、25日の2回目は漢詩鑑賞、漢詩の作り方の講義、および寺小屋方式による少人数グループで、七言で1句または2句の実作を指導が行なわれた。講座は5回行われ、6月6日の最終回では各自が作った七言絶句の発表と講評が行われる。

  
 

講座風景

 

少人数指導


         
  第5回サークル交流会開催さる        

  第5回サークル交流会が平成29年3月29日午後1時半より5時まで横浜の近代文学館で開催され、約80余名の会員が参加しました。先ず神奈川県漢詩連盟の初心者入門講座と漢詩講座の修了生で結成された13の漢詩勉強会サークルの紹介が各サークル代表者から報告され、各サークルがどのような活動をしているかを互いに知ることが出来ました。次いで各サークルから選出されたバトラーにより、各サークルから提出された「西郊日暮」の詠題詩に対する叱正が活発に行われました。その後全日本漢詩連盟評議員河野光世先生による同じ提出詩に対しての詳しい叱正が行われ、先生は詠題詩作りをしなさいと強調されていました。その後短時間ですが東京都漢詩連盟会長の窪寺貫道先生から、総括として各サークルに対し作詩の際は辞書をよく読み、また起承転結をよく考えてくださいとのお言葉がありました。5時半から7時半までは懇親会が会場近くのホテル,KKRポートヒル横浜で開催され、55名が参加して各サークル会員と交流と漢詩バトルや河野先生のバトル詩に対する叱正などを話題にして和やかに宴会が催され、盛会のうちに終了しました。
 

バトラーによる各サークル詩の叱正


河野光世先生による各サークル詩の叱正
 
 

窪寺貫道先生による叱正総括



 サークル交流会懇親会

 


河野先生の叱正録音

 

バトル詩稿

 
心者入門講座11期の修了生のサークル「詩林会」誕生         
 
 平成29年度漢詩初心者入門講座修了の第11期生サークル「詩林会」が発足しました。
今年度の入門講座は、神漢連創立十周年記念式典が挙行されたことで、例年よりも開催時期が遅く、サークルの発足も遅れていましたが、12月13日、第一回定例会を開催し、ようやくサークル活動をスタートすることができました。

 「詩林会」は中島龍一先生・飯島敏雄先生に指導・助言を仰ぎ、また参加人数は10名(男6名・女4名)のサークルです。

名称の「詩林会」は、漢「詩」の仲間が多く集まっている所(「林」)を意味しています。
 サークルの名称が決まり、活動もスタートしましたが、まだまだ初心者ばかりの「詩林会」です。
今後は両先生の下、「詩林会」の名に恥じないよう、作詩力の向上と漢詩の知識の習得に努めるとともに、神漢連の各先輩サークルに一日でも早く追いつくため、研鑽を積んで参ります。

 神漢連会員の皆様には、「詩林会」への叱咤激励をどうぞよろしくお願いいたします。



詩林会の集合写真 
●平成29年度全日本および他地区漢詩大会出当連盟の会員は大活躍しました。
 
各大会での受賞者とその作品は次の通りです。 
 
 
 
 
 
 
 
市川桃子先生講演会
  ー蓮の花の運命ー
 
 平成29年12月6日(水)神奈川近代文学館に於いて、明海大学名誉教授の市川桃子先生による「蓮の花の運命」という題の講演会が開催された。会場は80名を越す来場者で盛会であった。蓮に関する詩30首を紹介され、休憩やミニ知識をはさみ巧みなプロジェクター操作によって楽しく有意義な2時間でした。
講演は下の「聴講」ボタンをクリックすれば聴講できます。またこの講演で使われたプリントは右下の「ダウンロード」ボタンをクリックすれば見ることができます。


   
 

市川先生の講義



講義プリント

 
中国江南漢詩ツアー
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交流会・講演会・観光

  今回のツアーは住田・古田両先生を筆頭に、九詩期会の他に好文会、八起会、十期会からも参加を得て総勢は13名。昨年の10月25日出発、30日帰国。漢詩のふるさとを訪ねるだけでなく、現地の漢詩愛好者と交流をしようという大きな目的があった。
 交流会は旅の3日目、世界遺産「蘇州古典園林」の一つである蘇州最古の庭園「滄浪亭」の一室で「滄浪詩社蘇州詩詞協会」との間に行われた。
 蘇州大学教授で昆劇の研究家である周秦滄浪詩社長と住田先生の挨拶及び相互の紹介からはじまって、十期会の中野さんの依頼により「前赤壁の賦」が中国語で朗詠されると、周秦氏はじめ、魏嘉瓉前詩社長など詩社の皆さんの朗詠が次々続いた。民謡のように音楽的で、そのうえみなさん美声でよく声が通る。感動的で、当方は住田先生が詩吟を披露された後は、出番を失うくらいだった。

 そして書家の王淵青氏の書、画家の顧逸氏の画の席上揮毫があり、これには九詩期会の牛山さんが書を席上揮毫して応えた。和気あいあいの楽しい交歓会で、このあと昼食も近くの蘇州料理店で一緒に楽しんだ。

  交流会の様子を古田先生は、次のように詠まれた。


   滄浪亭中日詩社交流会     古田光子

  姑蘇訪到度秋風 姑蘇(こそ)訪ね到れば秋風度る

  古雅江亭和気充 古雅の江亭 和気充ちたり

  中日騒人親睦會 中日の騒人 親睦の会

  吟詩揮筆興無窮 詩を吟じ筆を揮いて興窮り無し


蘇州大学の呉雨平教授の講演会は「同化と異化―日本漢詩と中国古典詩歌伝統」と題して大学の教室で行われた。教授は、中国の漢詩では「志」を表すが、日本では「心」を表す。日本人は漢詩を「摂取醇化」して中国人の感性にはない独特の感情を表す「和臭」の漢詩を発展させたと話された。初心者の和臭ではなく、中国の漢詩とはまたひと味違う別の漢詩になっているという意味である。

講演終了後、住田先生が教室の黒板に次の詩を発表されると、教授以下中国人の学生も感心しきりであった。

   蘇州丁酉重陽         住田笛雄

  逆旅庭前蘇國秋 逆旅の庭前 蘇国の秋

   清光仰視獨閑遊 清光仰ぎ視て 独り閑遊

  重陽佳夜半天月 重陽の佳()() 半天の月

  遙憶故園君見不 遙かに故園を憶う 君見るや不(いな)

観光では上海の豫園や杭州の霊隠寺、西湖、水郷の烏鎮などを訪ね、寒山寺では八起会の長岡さんの指揮の下、詩碑の前で全員で「楓橋夜泊」を吟詠して中国人観光客の注目を浴びた。

 
  ●研修会        

 恒例の研修会が近代文学館において、11月8日、14日の2回にわたり行われた。参加者はそれぞれ15名で
 活発な討論がなされました。

  作者の名前を伏せた自由詩に、投票をしたうえで得点を集計して順位を決め、討論をおこない、最後に作者の
 名前を明らかにして、作者の意見を聞いて再び議論を深めました。一組の1位は横溝比呂美さんで9票、二組は
 三村会長で11票でした。

  得票の多い人、少なかったが敢闘賞など役員を外して三村会長から賞品(漢詩の本)を渡されました。以下に
 優秀作品を紹介します。

     

秋日寫懷    秋日(おもい)を写す     横溝比呂美

霜染風林秋色誇 霜は風林を染めて 秋色誇り

一江景物借蘆花 (いっ)(こう)の景物 蘆花を()

釣童歸路斜陽裏 (ちょう)(どう) 帰路 斜陽の(うち)

形影相依野徑賖 形影 相依(あいよ) 野径(はるか)なり


家の近くの川辺は、子供達の恰好の遊び場だった。遥か上流は渓流釣が盛んで、そのおこぼれの山女魚や鮎を釣りたいと競って釣り糸を垂れていた。日が傾き始めると母親の声が聞こえたかのように家路につく。夕日に色濃く染まった影と寄り添い、野道を帰って行く。閑かになった河原は蘆の葉擦れがさらさらと清らかな流れのような音をたてていた。
 忘れてしまいそうな私の心象風景を紙に写したいと考えた。不備な箇所も多々在ろうが思いがけなく一等賞を戴いた。感謝。感謝

高秋采松蕈   高秋松蕈(しょうじん)()る  松本征儀

老宿朝來巡圃園 老宿 朝来 圃園を巡り

収藏尤物不勝繁 尤物(ゆうぶつ)の収蔵 (はん)に勝えず

庭前賈客競同列 庭前の賈客(こかく) 同列を競う

分別芳香滿竹門 分別(ぶんべつ) 芳香 竹門に満つ

 

研修会は、活発な意見が出て、有意義な中身の濃い場となった。 要点を以下に纏めた。

◎詩題と詩の内容対応が不十分。これは、売炭翁などの例を参考にして練りなおしたい。

◎起句の圃園は、より適切な詩語を択ぶか、表現を変える。

◎轉句の競同列は、分かり難い。対案として、競拍賣を検討したい。

◎結句中の分別は、仕訳の意で使ったが、分類などの類語も検討したい。

 

 
 横須賀記念艦「三笠」見学吟行会
  平成29年9月27日、初秋の気配漂う三笠公園で、記念艦「三笠」を見学し、恒例の吟行会が行われた。日露戦争での足跡を、ビデオ、保存会の関係者の解説と併せ、つぶさに見学。28名の参加者での懇親会、柏梁体披露では、石川先生の鮮やかな全句配列と懇切かつ諧謔溢れるご批評に加え、「全体に上々の出来栄え」との講評をいただきました。参加者全員の自作コメントもあり、楽しくも有意義な研鑽の時を過ごし、盛会裏に次回再会を約しました。
 なお今回参加できなかった方は来年度も場所を変えて吟行会が開催されますので是非ご参加ください。

 吟行会の様子
 

吟行会全員写真

 

三笠記念艦全景

 

三笠甲板にて


 
東郷平八郎元帥と一緒

 

昼食と伯梁体の会場

 

石川先生による伯梁体の講評

 
 13番目の漢詩サークルが誕生
 
 平成29年度の初心者入門講座の修了生により、13番目の漢詩サークルが会員10名で結成され、12月の第2水曜日、13日に初回の勉強会が開始されることになりました。

       


  田原副会長を悼む
  
   ありがとう、田原健一さん

            神漢連前会長  岡崎満義

 神漢連設立以来、事務局長、副会長として屋台骨を支えてきてくれた田原健一さんが6月16日、左腎細胞ガンで亡くなられた。享年81歳。田原さんの最大の功績は故・中山清前会長と組んで初心者入門講座を開き、後に石川忠久全漢連会長から「可看金河新方式」と称された少人数学習の〝寺子屋方式″を実現したことだと思う。このかゆいところに手が届くアフタアケアのよさで、初心者講座の中途脱落者は殆どなくなった。十年続く初心者講座の中から、毎年次々に人材が育ち。神漢連の活動の中核となっている。強い信念を持つ硬骨漢だったが、何とも言えない愛嬌があった。いつまでも心の中に少年・田原健一が生きているように思っていた。

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神漢連の更なる発展の為に使ってほしいという故田原副会長ご生前の遺志だとご遺族から多額のご寄付を頂戴した。故人のお気持ちを尊重し、このお金は一般会計から独立させて「田原基金」として有効に活用させていただく事とする。活用対象等の詳細は今後決める予定である。

        (会長 三村公二)

                                 

当連盟の住田笛雄相談役から追悼の詩が寄せられました。

    哀悼田原健一先生  田原健一先生を哀悼する  住田篪軒

 毎聽淸聲響滿堂 (つね)に聴く清声 満堂に響くを

   詩心熱説自悠揚 詩心熱く説いて (おのず)から悠揚たり

   于嗟突忽仙遊去 于嗟(ああ)突忽 仙遊して去られんとは

     靜夜空望冷月光 静夜空しく望む 月光の冷やかなるを