トピックス

開催行事の写真と動画

 ●初心者入門講座11期の修了生のサークル「詩林会」誕生

 平成29年度漢詩初心者入門講座修了の第11期生サークル「詩林会」が発足しました。
今年度の入門講座は、神漢連創立十周年記念式典が挙行されたことで、例年よりも開催時期が遅く、サークルの発足も遅れていましたが、12月13日、第一回定例会を開催し、ようやくサークル活動をスタートすることができました。

 「詩林会」は中島龍一先生・飯島敏雄先生に指導・助言を仰ぎ、また参加人数は10名(男6名・女4名)のサークルです。

名称の「詩林会」は、漢「詩」の仲間が多く集まっている所(「林」)を意味しています。
 サークルの名称が決まり、活動もスタートしましたが、まだまだ初心者ばかりの「詩林会」です。

今後は両先生の下、「詩林会」の名に恥じないよう、作詩力の向上と漢詩の知識の習得に努めるとともに、神漢連の各先輩サークルに一日でも早く追いつくため、研鑽を積んで参ります。

 神漢連会員の皆様には、「詩林会」への叱咤激励をどうぞよろしくお願いいたします。


 
●平成29年度全日本および他地区漢詩大会出当連盟の会員は大活躍しました。
 
各大会での受賞者とその作品は次の通りです。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
市川桃子先生講演会
  ー蓮の花の運命ー

 
平成29年12月6日(水)神奈川近代文学館に於いて、明海大学名誉教授の市川桃子先生による「蓮の花の運命」という題の講演会が開催された。会場は80名を越す来場者で盛会であった。蓮に関する詩30首を紹介され、休憩やミニ知識をはさみ巧みなプロジェクター操作によって楽しく有意義な2時間でした。
講演は下の左側の△ボタンをクリックすれば聴講できます。またこの講演で使われたプリントは右下の「ダウンロード」ボタンをクリックすれば見ることができます。


   
 

                  
           市川先生の講義聴講                      講義プリント
 
 中国江南漢詩ツアー
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交流会・講演会・観光

  今回のツアーは住田・古田両先生を筆頭に、九詩期会の他に好文会、八起会、十期会からも参加を得て総勢は13名。昨年の10月25日出発、30日帰国。漢詩のふるさとを訪ねるだけでなく、現地の漢詩愛好者と交流をしようという大きな目的があった。
 交流会は旅の3日目、世界遺産「蘇州古典園林」の一つである蘇州最古の庭園「滄浪亭」の一室で「滄浪詩社蘇州詩詞協会」との間に行われた。

 蘇州大学教授で昆劇の研究家である周秦滄浪詩社長と住田先生の挨拶及び相互の紹介からはじまって、十期会の中野さんの依頼により「前赤壁の賦」が中国語で朗詠されると、周秦氏はじめ、魏嘉瓉前詩社長など詩社の皆さんの朗詠が次々続いた。民謡のように音楽的で、そのうえみなさん美声でよく声が通る。感動的で、当方は住田先生が詩吟を披露された後は、出番を失うくらいだった。

 そして書家の王淵青氏の書、画家の顧逸氏の画の席上揮毫があり、これには九詩期会の牛山さんが書を席上揮毫して応えた。和気あいあいの楽しい交歓会で、このあと昼食も近くの蘇州料理店で一緒に楽しんだ。

  交流会の様子を古田先生は、次のように詠まれた。


   滄浪亭中日詩社交流会     古田光子

  姑蘇訪到度秋風 姑蘇(こそ)訪ね到れば秋風度る

  古雅江亭和気充 古雅の江亭 和気充ちたり

  中日騒人親睦會 中日の騒人 親睦の会

  吟詩揮筆興無窮 詩を吟じ筆を揮いて興窮り無し


蘇州大学の呉雨平教授の講演会は「同化と異化―日本漢詩と中国古典詩歌伝統」と題して大学の教室で行われた。教授は、中国の漢詩では「志」を表すが、日本では「心」を表す。日本人は漢詩を「摂取醇化」して中国人の感性にはない独特の感情を表す「和臭」の漢詩を発展させたと話された。初心者の和臭ではなく、中国の漢詩とはまたひと味違う別の漢詩になっているという意味である。

講演終了後、住田先生が教室の黒板に次の詩を発表されると、教授以下中国人の学生も感心しきりであった。

   蘇州丁酉重陽         住田笛雄

  逆旅庭前蘇國秋 逆旅の庭前 蘇国の秋

    清光仰視獨閑遊 清光仰ぎ視て 独り閑遊

  重陽佳夜半天月 重陽の佳()() 半天の月

  遙憶故園君見不 遙かに故園を憶う 君見るや不(いな)

観光では上海の豫園や杭州の霊隠寺、西湖、水郷の烏鎮などを訪ね、寒山寺では八起会の長岡さんの指揮の下、詩碑の前で全員で「楓橋夜泊」を吟詠して中国人観光客の注目を浴びた。

 
 ●研修会

 恒例の研修会が近代文学館において、11月8日、14日の2回にわたり行われた。参加者はそれぞれ15名で
 活発な討論がなされました。

  作者の名前を伏せた自由詩に、投票をしたうえで得点を集計して順位を決め、討論をおこない、最後に作者の
 名前を明らかにして、作者の意見を聞いて再び議論を深めました。一組の1位は横溝比呂美さんで9票、二組は
 三村会長で11票でした。

  得票の多い人、少なかったが敢闘賞など役員を外して三村会長から賞品(漢詩の本)を渡されました。以下に
 優秀作品を紹介します。

     

秋日寫懷    秋日(おもい)を写す     横溝比呂美

霜染風林秋色誇 霜は風林を染めて 秋色誇り

一江景物借蘆花 (いっ)(こう)の景物 蘆花を()

釣童歸路斜陽裏 (ちょう)(どう) 帰路 斜陽の(うち)

形影相依野徑賖 形影 相依(あいよ) 野径(はるか)なり


家の近くの川辺は、子供達の恰好の遊び場だった。遥か上流は渓流釣が盛んで、そのおこぼれの山女魚や鮎を釣りたいと競って釣り糸を垂れていた。日が傾き始めると母親の声が聞こえたかのように家路につく。夕日に色濃く染まった影と寄り添い、野道を帰って行く。閑かになった河原は蘆の葉擦れがさらさらと清らかな流れのような音をたてていた。
 忘れてしまいそうな私の心象風景を紙に写したいと考えた。不備な箇所も多々在ろうが思いがけなく一等賞を戴いた。感謝。感謝

高秋采松蕈   高秋松蕈(しょうじん)()る  松本征儀

老宿朝來巡圃園 老宿 朝来 圃園を巡り

収藏尤物不勝繁 尤物(ゆうぶつ)の収蔵 (はん)に勝えず

庭前賈客競同列 庭前の賈客(こかく) 同列を競う

分別芳香滿竹門 分別(ぶんべつ) 芳香 竹門に満つ

 

研修会は、活発な意見が出て、有意義な中身の濃い場となった。 要点を以下に纏めた。

◎詩題と詩の内容対応が不十分。これは、売炭翁などの例を参考にして練りなおしたい。

◎起句の圃園は、より適切な詩語を択ぶか、表現を変える。

◎轉句の競同列は、分かり難い。対案として、競拍賣を検討したい。

◎結句中の分別は、仕訳の意で使ったが、分類などの類語も検討したい。

 


 ●横須賀記念艦「三笠」見学吟行会
 平成29年9月27日、初秋の気配漂う三笠公園で、記念艦「三笠」を見学し、恒例の吟行会が行われた。日露戦争での足跡を、ビデオ、保存会の関係者の解説と併せ、つぶさに見学。28名の参加者での懇親会、柏梁体披露では、石川先生の鮮やかな全句配列と懇切かつ諧謔溢れるご批評に加え、「全体に上々の出来栄え」との講評をいただきました。参加者全員の自作コメントもあり、楽しくも有意義な研鑽の時を過ごし、盛会裏に次回再会を約しました。
 なお今回参加できなかった方は来年度も場所を変えて吟行会が開催されますので是非ご参加ください。

 吟行会の様子
 

吟行会全員写真

 

三笠記念艦全景

 

三笠甲板にて


 
東郷平八郎元帥と一緒

 

昼食と伯梁体の会場

 

石川先生による伯梁体の講評

 
  13番目の漢詩サークルが誕生
 
平成29年度の初心者入門講座の修了生により、13番目の漢詩サークルが会員10名で結成され、12月の第2水曜日、13日に初回の勉強会が開始されることになりました。

 


  田原副会長を悼む
 

                   ありがとう、田原健一さん

            神漢連前会長  岡崎満義

 神漢連設立以来、事務局長、副会長として屋台骨を支えてきてくれた田原健一さんが六月十六日、左腎細胞ガンで亡くなられた。享年八十一歳。田原さんの最大の功績は故・中山清前会長と組んで初心者入門講座を開き、後に石川忠久全漢連会長から「可看金河新方式」と称された少人数学習の〝寺子屋方式″を実現したことだと思う。このかゆいところに手が届くアフタアケアのよさで、初心者講座の中途脱落者は殆どなくなった。十年続く初心者講座の中から、毎年次々に人材が育ち。神漢連の活動の中核となっている。強い信念を持つ硬骨漢だったが、何とも言えない愛嬌があった。いつまでも心の中に少年・田原健一が生きているように思っていた。

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神漢連の更なる発展の為に使ってほしいという故田原副会長ご生前の遺志だとご遺族から多額のご寄付を頂戴した。故人のお気持ちを尊重し、このお金は一般会計から独立させて「田原基金」として有効に活用させていただく事とする。活用対象等の詳細は今後決める予定である。

        (会長 三村公二)

                                 

当連盟の住田笛雄相談役から追悼の詩が寄せられました。

    哀悼田原健一先生 田原健一先生を哀悼する  住田篪軒

   毎聽淸聲響滿堂 (つね)に聴く清声 満堂に響くを

   詩心熱説自悠揚 詩心熱く説いて (おのず)から悠揚たり

   于嗟突忽仙遊去 于嗟(ああ)突忽 仙遊して去られんとは

   靜夜空望冷月光 静夜空しく望む 月光の冷やかなるを


 鎌倉漢詩会吟行会詩集を刊行
 
鎌倉漢詩会は磯野会長をはじめ会員のほとんどが本連盟の会員であり、5月29日に鎌倉市の光明寺にて吟行会を催し、今般その吟行会の詩集[遊初夏光明寺]が出版されました。
                                    
 



  平成29年度神奈川県漢詩連盟総会と石川先生の特別講演の開催
 
月21日、神奈川近代文学館ホールにおいて、神漢連の第12回総会が開催されました。当日は低気圧の接近による、前夜からの風雨の激しい日にもかかわらず、顧問であられる石川忠久先生、窪寺啓先生のご臨席を頂き、総勢60余名の出席でした。
 冒頭、5日前に急逝された田原健一副会長を悼む黙祷のあと、水城まゆみ議長の開会の言葉に続き、岡崎満義会長(欠席)から届けられた挨拶文が代読されました。
 その概要は次の通りです。「神漢連は2006年に60数名の会員で旗揚げして以来、昨年十周年を迎え会員は300名ほどにまで増えました。この原動力は、中山清前会長、田原健一前事務局長の始めた、初心者入門講座と寺子屋式個別指導の成功、また、この5年間進めてきた漢詩を学ぶに加えて、“漢詩で遊ぶ”のスローガンにより漢詩のすそ野が広がったこと、そして創設以来、石川、窪寺両先生からご支援があったことです。今後、三村公二新会長のもと、神奈川の新方式を更に発展すべく会員の皆様と共に推し進めて下さい」
 次いで、三村事務局長から活動報告、十周年記念行事報告、今後の活動計画の提案、続いて決算報告、予算計画、規約改定案、人事新体制が提案され,幾つかの質疑のあといずれも承認されました。
 主な新人事としては、会長に三村公二氏、副会長に水城まゆみ氏と中島龍一氏、事務局長に高津有二氏、および事務局次長に香取和之氏が選出されました。
 総会議事の終了後、会員のほか外來の人も加わって、石川先生の講演「陸游の詩」8首について、楽しく有益な講演が90分間にわたり行われました。
 この後、隣にあるホテルポートヒルに移って懇親会が催され35名の参加をみました。室橋執行理事の司会により、余興、裏話しなど石川先生とともに会員相互の親睦を深めることができました。
 なお、石川先生が懇親会の席において即興で作られた賀詩を紹介します。

      偶成           石川岳堂
      欲冒荒天赴佳會  荒天を冒して佳会に赴かんと欲す
      可驚神漢雅筵情  驚くべし神漢 雅筵の情
      先賢亡後後賢在  先賢亡びし後後賢在り
      何事綿綿有不成  何事か綿々成らざる有らん



 
総会風景

 
右から三村会長、水城副会長、中島副会長

 
「陸游の詩」について講演する石川忠久先生

 
    
石川先生の講義聴講するにはここをクリックしてください
 ● 神奈川県漢詩連盟創立10周年漢詩大会・漢詩フェスティバルと石川先生の特別講演の開催
 3月16日、3月17日午前中は漢詩フェスティバルが開催され、「漢詩で遊ぼう」と「自詠自書やフォト漢詩等の展示」が行われました。また3月17日午後は漢詩大会と石川忠久先生の記念講演が行われました。「漢詩で遊ぼう」には約100名の一般の方々が参加され、漢詩づくりに挑戦されました。「自詠自書やフォト漢詩等の展示」には約200名の方が見に来てくださいました。漢詩大会には九州、四国、関西、中部、関東の各地からの参加者もあり、賞状授与とともに作品の吟詠が行われました。石川先生の講演は約400名が聴講されました。その後懇親会が行われ80名の方が参加されました。以上いずれも盛況のうちの終了することが出来ました。なお石川忠久先生の特別講演も写真の下のボタンをクリックすれば聴講できるようになっています。
 ご支援、ご協力いただいた諸機関、新聞社、中華街、日中協会等、また参加してくださいました一般の皆様方に深く御礼を申し上げます。

 〇漢詩大会
  


漢詩大会





 
 

石川忠久先生の記念講演



 
 ○漢詩フェスティバル



漢詩で遊ぼう




漢詩で遊ぼう:中学生も来場




自詠自書




フォト漢詩

 〇懇親会

 


 



〇石川忠久先生と窪寺啓先生の賀詞

                  石川忠久先生 

          爲詩軸古堂中     詩を為り 軸をく 古堂の中

          自滿斬然文雅風     自ずから満つ  斬然たる 文雅の風

          新營營全事業     新旧 営々 事業 全し

          驚看赫赫十年功     驚き看る 赫々たる 十年の功

 

  

                  窪寺啓先生 

          勉孜孜金港中     勉励 孜孜たり 金港の中

          今朝度海暖春風     今朝 海を度る 春風暖かなり

          新人詩盛     新人 客 詩盛んにして

          十歳鷗鷺功     十歳の栄 鷗鷺の功

 
  漢詩大会

 応募状況と優秀作品の紹介

 
   応募者は東北から九州にまでに及び、応募者最高齢92歳、応募者最年少15歳と幅広い層からの多数の応募があった。

応募数: 267首(応募者188人)、

厳正なる審査の結果、特別賞11人、秀作賞9人、入選 11人、計31人(内、神漢連は11人)

 特別賞および入賞者の漢詩の小冊子の発行を行い関係者に配布しました。

 

  特別賞受賞作品

   横浜市長賞  「橫濱中華街吟行」    栃木県  石川郁三

   川崎市長賞「稲村崎懷古」           千葉県  田沼裕樹

   一般社団法人日中協会賞  「伯理提督」  福岡県  瀬戸毅義

   全日本漢詩連盟会長賞「橫濱中華街卽事」  三重県  田中久治

   神奈川県漢詩連盟会長賞「菜香新館」   神奈川県   室橋幸子

   横浜華僑総会賞「金中華街」       山梨県  髙山一雄

   横浜中華街発展会協同組合賞「橫濱中華街中秋節」   愛知県  大矢恒久                                     

           

   読売新聞社横浜支局賞 「橫濱港龍舟競渡」 福岡県  篠崎義道

   産新聞社横浜支局賞「暑日讀書」    神奈川県  萬谷美次

     神奈川新聞社賞 「偶成」              兵庫県   小滝弘志  

    テレビ神奈川賞 「夏日觀蓮」            兵庫県   山形重則

 

  秀作賞作品

  「客窗聽雨」    三重県   小川忠治

  「港市懷舊」    兵庫県   前田隆弘

  「延暦寺」    神奈川県    蔦 清昭

  「橫濱中華街」   京都府   原 肇

  「中華街憲章」    神奈川県   嶋内隆行

  「橫濱媽祖廟」      長崎県     藤川俊二郎

  「絹道探訪」      神奈川県     中野三琴

  「初夏偶成」     兵庫県   野田佳伸

   「水餃子」      福井県   川口義夫



    入選作品
 

  「夏日喜雨」      兵庫県    渡邉和洋

  「橫濱中華街」     大分県     森田元久

  「神奈川縣漢詩連盟」  神奈川県  大谷明史

    「過唐人街飯店」    東京都     浦上佳奈

   「中華街」       東京都     村田瑛子

   「訪新井城址」    神奈川県     松本祐輔

  「掃部山公園看井伊直弼像」  神奈川県   三上光敏

  「橫濱媽祖廟     神奈川県     高津有二

  「橫濱中華街新春」  神奈川県    中島義和

  「再住院」      神奈川県    犬飼勇雄

  「橫濱中華街       東京都     中山正道

役員詠草は省略いたします。

 

   横浜市長賞    栃木県  陽山 石川郁三

  橫濱中華街吟行 中華街吟行会 

  關帝廟邊聞異香  (かん)(てい)(びょう)(へん) 異香(いこう)を聞き

  徘徊金港會華堂  金港を徘徊(はいかい)して華堂(かどう)(かい)

  同遊皆是風流士  同遊(どうゆう)(みな)(これ) 風流の士

    聯句共成飛羽觴  聯句(れんく)共に成して羽觴(うしょう)を飛ばす

 

 横浜市長賞を受賞して

       栃木県漢詩連盟   石川郁三

 この度図らずも横浜市長賞を頂き、大変光栄に存じております。又、石川先生から身に余るご講評を賜り、感激いたしました。今回の作品は、平成21年11月に実施した神奈川県漢詩連盟との交流吟行会が余りにも楽しかったので、その時の様子をありのまま詩にしたものです。中山前会長のご冥福をお祈りするとともに、当時お世話になった田原様、岡崎様、桜庭様に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。 

 以下神漢連会員の受賞作品を掲載します。

  神奈川県漢詩連盟会長賞   

    菜香新館    菜香新館     室橋幸子

   菜茹嘉餚酒興中 菜茹嘉餚(さいじょかこう) 酒興(しゅきょう)(うち)

   香芳五味八珍充 香芳(こうかんば)し 五味八珍充つ

   新秋語盡濱盟集 新秋語尽くす 浜盟(ひんめい)の集い

   館裡華燈歡未終 館裡(かんり)()(とう) 歓び未だ終らず

 

  産經聞社横浜総局長賞  

    暑日讀書    暑日に書を読む  萬谷美次

   雨後炎陽六月天  雨後の炎陽 六月の(てん)

   索涼茅屋北窗前  涼を(もと)茅屋(ぼうおく)北窓(ほくそう)の前

   閑繙亂秩追先哲  閑に乱秩(らんちつ)(ひもと)いて先哲を追えば

   忽到南柯槐樹邊  (たちま)ち到る南柯(なんか) 槐樹(かいじゅ)(へん)

 

  秀作賞作品

    延暦寺     延暦寺    蔦 清昭

   叡山水已深秋       叡山 ()(すい) 已に深秋

   林徑羊腸到梵樓  林径は羊腸 梵楼(ぼんろう)に到る

   根本中堂靈氣滿       根本中道に霊気満ちて

   絶無塵處法燈幽  絶えて塵無き処 法燈(かす)かな

 

 

    中華街憲章  中華街憲章   島内隆行 

   温故知新百世傳  温故知新 百世に伝えん

   善隣友好志逾堅  善隣友好 志 (いよいよ)(かた)

   古今墨守先人誡  古今墨守先人の(かい)

   千客萬來關帝緣  千客万来 関帝の縁

 

    絹道探訪   (シルク)(ロード)探訪  中野三琴  

   砂塵縹渺接天遙 砂塵縹渺として天に接し遙かなり

   人馬蹌踉嘯怒飆 人馬蹌踉(そうろう) 怒飆(どひょう)(うそ)

   露宿今宵廢墟跡 露宿今宵 廃墟の跡

   樓蘭猶遠客心焦 (ろう)(らん)(なお)(とお)(かく)(しん)(こが)

 

  入選作品

    神奈川県漢詩連盟 神奈川県漢詩連盟               大谷明史

   十歳已經漢連  十歳(じゅうさい)に経たり神漢連

   鷗盟師弟列詩筵  鷗盟の師弟 ()(えん)に列す

   毎春花下迎新進  毎春 花下に新進を迎え

   同學同遊期百年  同に学び同に遊び百年を期す

 

    訪新井城址   新井城址を訪ぬ 松本祐輔

   斜通間道獨徘徊  斜に通ず間道 独り徘徊

   堅壘牙城安在哉  堅壘の牙城 (いずく)()()

   惟有悲風吹蔓草  惟悲風(ただひふう) 蔓草(つるくさ)を吹く有り

   古碑銘刻没靑苔  古碑の銘刻 青苔に没す

 

    掃部山公園看井伊直弼像    三上光敏

   掃部山(かもんやま)公園(こうえん)に井伊直弼像を看

   登來丘阜雨晴時  登り来る丘阜(きゅうふ) (あめ)(はる)(とき)

   淨域山櫻發滿枝  淨域(じょういき)の山桜 満枝に発く

   束帶昂然瞰金港 束帯(そくたい)昂然(こうぜん)として 金港(きんこう)(かん)

   何關花事獨顰眉  何ぞ関せん花事 独り(まゆ)(ひそ)める

 

    横濱媽祖廟    横浜媽祖廟  高津有二

   天妃降誕水雲鄕 (てん)()降誕(こうたん) 水雲の郷

   欲救萬民靈澤昌 万民を救わんと欲し 霊沢(さかん)なり

   廟宇一新今十歳 (びょう)宇一(ういっ)(しん) (いま)十歳(じゅつさい)

   紅甍丹桷映朝陽 紅甍(こうぼう)丹桷(たんかく) 朝陽に映ず

 

   横濱中華街新春 横浜中華街新春  中島義和 

   三朝金港太平春 三朝(さんちょう)の金港 太平の

   熱閙華街勾引人 熱閙(ねつとう)の華街 人を勾引(こういん)

   八宝菜盈餐卓上 八宝の菜は()(さん)(たく)

   東坡肉美酒千巡 東坡(とうは)の肉は(うま)く 酒千巡す

 

   再住院    再び住院(じゅういん)す   犬飼勇雄

   寛解十年喜生 寛解(かんかい)十年 歓喜に生き

   時時依舊酒杯傾 時々旧に()り 酒杯傾く

   忽然再發荊妻嘆 忽然(こつぜん)の再発 荊妻(けいさい)の嘆き

   日聽枕頭天譴聲 日び聴く枕頭 天譴(てんけん)の声


 



 ●漢詩フェスティバル

  漢詩フェスティバル「漢詩で遊ぼう」

   はじめての試み 老若男女楽しく集う

「漢詩で遊ぼう」は、フェスティバルを外部に開かれた催しとすることを狙に、「子供からお年寄りまで、漢詩初心者から作詩のベテランまで、共に楽しめるイベント」として、柏梁体の吟行会に倣って開催された。規則を知らない方には、押韻をも省略し、単に、2・2・3語の意味のある七言一句を、カードやパソコンを活用して創作していただいた。
 初めての試みであったが、神漢連会員がチューター役として、一対一で対応し、延べ70名強の参加者と共に句作りを楽しんだ。


                  

                         漢詩で遊ぼう風景


 自詠自書・フォト漢詩など

 自詠自書

 この度十周年記念事業書道展には、出品者各位のご熱意により、個性豊かな33の作品を展示することができました。又、重要文化財の古建築に於ける展示会場づくりに、前日夜遅くまで、皆さまのご協力のお陰で、1日半の展示期間でしたが約200名のご来場を頂きました。 
 当日夜、懇親会で石川忠久先生は、即興の漢詩で「詩を為り軸を巻く古堂の中」と玉詩を詠ぜられ(吟者;住田先生)、私達一同感激でした。心から自詠自書の発展を期待致します。
        

 フォト漢詩 

五友会と七歩会の会員4名からフォト漢詩10点が出展され、多くの来訪者の関心を引きました。何人もの方から撮影場所や被写体についての質問やお褒めの言葉があり、新しいジャンルとして面白いとの感想も頂きました。
一般の方が漢詩に触れる機会をフォト漢詩の活用で増やせないかと考えております。



                    

                          自詠自書とフォト漢詩


 ● 神漢連創立10周年記念グッズ:トートバック完成

  本連盟の創立10周年事業の一つであるトートバックが完成し、頒布(実費1500円+送料)が始まりました。トートバックの一面には全漢詩連盟会長の石川忠久先生揮毫の静夜思が、他面には本連盟の田原健一副会長の墨画が印刷されています。トートバックは下の写真のように墨画の異なる2種類があります。

  なお頒布ご希望の方は事務局(本ホームページのお問い合わせからでも可)にご一報ください
 
 トートバック「月光」

 トートバック「会館」


 ●
神漢連叢書、「歩こう神奈川、漢詩八十景」

本連盟の創立10周年事業の一つである神漢連叢書、「歩こう神奈川、漢詩八十景」が完成し、頒布(実費2000円+送料)が始まりました。
  なお頒布ご希望の方は事務局(本ホームページのお問い合わせからでも可)にご一報ください


 

●本連盟会員全国各地の漢詩大会で大活躍

                          第8回諸橋轍次博士記念漢詩大会



「奨励賞・新潟日報社賞」 松井秀人

   過円覚寺   円覚寺を(よぎ)

  松杉千樹綠陰深  松杉(しょうさん)千樹(せんじゅ) 緑陰(りょくいん)(ふか)

  晩照山門同古今  (ばん)(しょう)山門(さんもん) 古今(ここん)(おな)

  白鹿尋師塵外境  (はく)鹿(ろく) ()(たず)ぬ 塵外(じんがい)(きょう)

  鯨音隠隠滿幽襟  鯨音(げいおん)隠々(いんいん) (ゆう)(きん)()






 

「奨励賞・BSN新潟放送賞」 谿月 室橋幸子

   柳塘疎雨      柳塘(りゅうとう)()()

  柳條嫋嫋綠將繁   柳條(りゅうじょう)嫋々(じょうじょう)として(みどり)(まさ)(しげ)

  細雨蕭蕭水半渾   (さい)()蕭々(しょうしょう)として(みず)(なかば)(にご)

  一別扁舟何日返   一別(いちべつ)(へん)(しゅう)(いづ)れの()(かえ)らん

  佳人沾袖自無言   佳人(かじん)(そで)()らして(おの)ずから(げん)()



「秀作賞」  邱堂 松本正儀

   慶賀一朗達成通算三千安打 

 一朗通算三千安打を達成するを慶賀す

  克己錬成誰及肩  克己(こっき)錬成(れんせい) (たれ)(けん)(およ)ばん

  冠攻走守制於先  攻走守(こうそうしゅ)(かん)たりて (さき)んずるを(せい)

  元来記録常更改  元来(がんらい) 記録(きろく) 更改(こうかい)(つね)なり

    大願球王路八千  大願(たいがん)(きゅう)(おう) (みち)八千(はっせん)

 

「秀作賞」 大森冽子

   食蛙        (かえる)()

  滬城過雨亂鳴喧  ()(じょう)()() (らん)(めい)(かまびす)

  欲食田鶏喚稚孫  (でん)(けい)(しょく)せんと(ほっ)()(そん)(わめ)

  炸煮炒蒸他自美  炸煮(さくしょ)(そう)(じょう) (それ)(おの)ずから(うま)

  方知口福滿盤存  (まさ)()(こう)(ふく) 満盤(まんばん)()るを



「特別賞・八木ケ鼻賞」 大谷明史

  塞下曲      塞下(さいか)(きょく)

 沙場百里對胡兵  沙場(さじょう) 百里(ひゃくり)胡兵(こへい)(たい)

 片月孤高已二更  片月(へんげつ)(ひとり)(たか)(すで)()(こう)

 遙想東天雲盡處  (はる)かに(おも)(とうてん)(くも)()きる(ところ)

 長安萬戸擣衣聲  長安(ちょうあん)(まん)() (ころも)()つの(こえ)

 
 




1回漱石記念漢詩大会in熊本
 


「優秀賞」 小嶋明紀子

  江亭嘗茗     江亭(こうてい)嘗茗(しょうめい)

 亭下汲來中冷泉  亭下(ていか)()(きた)中冷泉(ちゅうれいせん)

 烏巾煮茗曲欄前  烏巾(うきん)(めい)()曲欄(きょくらん)(まえ)

 閑嘗三椀知春興  (かん)(さん)(わん)()(しゅん)(きょう)()

 遥憶風流盧玉川  (はる)かに(おも)風流(ふうりゅう)()玉川(ぎょくせん)


 


「佳作」  柴本信子

  望南米智利富士  南米(なんべい)()()富士(ふじ)(のぞ)

 探遍名山路幾重  名山(めいざん)(さぐ)ること(あまね)(みち)幾重(いくじゅう)なりや

 英姿眺望豁心胸  英姿(えいし)眺望(ちょうぼう)すれば心胸(しんきょう)(かつ)たり

 誰知祖國扶桑外  (だれ)()らん祖国(そこく)扶桑(ふそう)(ほか)

 別有超然不二峰  (べつ)超然(ちょうぜん)たる不二(ふじ)(みね)()りとは


「入選」  三上光敏

  過田原坂戰跡   田原坂(たばるざか)戦跡(せんせき)(よぎ)

 欲尋戰跡到林丘  戦跡(せんせき)(たず)ねんと(ほつ)(りん)(きゅう)(いた)

 忽憶風光幾度秋  (たちま)(おも)風光(ふうこう) 幾度(いくたび)(あき)

 吶喊砲聲當日事  吶喊(とっかん)砲声(ほうせい) 当日(とうじつ)(こと)

 如今荒草影悠悠  (じょ)(こん)(こう)(そう) (かげ)悠々(ゆうゆう)たり 
 

「入選」  川上 修己

  熊本城懐古  熊本(くまもと)(じょう)懐古(かいこ)

 茶臼山腰千里遥  (ちゃ)(うす)山腰(さんよう) 千里(せんり)(はる)かなり

 青甍黒壁接雲喬  青甍(せいぼう)黒壁(こくへき) (くも)(せっ)して(たか)

 堪來兵燹百餘歳  兵燹(へいせん)()(きた)たりて(ひゃく)()(さい)

 険塞曾誇天下梟  (けん)(さい)(かっ)(ほこ)天下(てんか)(きょう)


19回 全国ふるさと漢詩コンテスト(多久市)
 


「優秀賞」 川上 修己

  童児挑西瓜    童児(どうじ)西瓜(すいか)(いど)

 大瀛淼淼接遙天  大瀛(だいえい)淼々(びょうびょう)として遥天(ようてん)(せっ)

 盛夏村童遊海邊  盛夏(せいか)(そん)(どう) 海辺(かいへん)(あそ)

 蓋眼奮然揮棍處  ()(おお)奮然(ふんぜん)として(こん)(ふる)(ところ)

 綠球空在寸分先  緑球(りょくきゅう)(むな)しく寸分先(すんぶんさき)() 

「入選」 小嶋明紀子

  夏尋蘭若   (なつ)(らん)(にゃ)(たず)

  午熱衝人古道傍  午熱(ごねつ)(ひと)()古道(こどう)(かたわ)

  獨尋野寺入閑堂  (ひと)野寺(やじ)(たず)閑堂(かんどう)()

  從僧識得禪機後  (そう)(した)ひて禅機(ぜんき)(しく)(とく)して(のち)

  纔覺松風吹袂涼  (わずか)かに(おぼ)松風(しょうふう)(たもと)()きて(すず)しきを

 
  神奈川県漢詩連盟創立10周年記念式典・講演会・懇親会盛大に開催されました。
  10月19日(水)13:00より100余名の会員の出席のもとに平成28年度の総会が行われ、平成27年度の事業報告、決算報告及び会計検査報告が行われ、また28年度の事業計画案、予算案、人事案が審議され、報告及び案とも満場一致で承認されました。次いで記念式典が挙行され、会長挨拶ののちに、全日本会長石川忠久先生、他来賓の祝辞、神漢連の10年の歩みの紹介、神漢連創立に関わられた岡崎満義会長、田原健一副会長、水城まゆみ副会長、櫻庭愼吾執行理事及び磯野衞孝元理事への感謝状の授与、功労者代表として磯野元理事による創立時の話などが行われました。
 15:00からは石川忠久先生による記念講演「神奈川にゆかりの漢詩」が行われました。17:00からは60余名の参加者のもとに懇親会が盛大に開催され、石川先生と窪寺啓東京都漢詩連盟会長の神連連創立10周年を祝す賀詩が披露され、その吟詠が住田笛雄監事により行われました。来賓の祝辞、10年史の作成の苦労話、吟詠など懇親会は盛会でした。
 なお、当日は10:00から16:00まで自詠自書およびフォト漢詩等の展示も小会議室で行われました。
以上の総会、後援会、懇親会および自詠自書等の展示会の様子の写真を下に示します。また石川先生の講演も先生の写真の下の再生ボタンを押せば聞くことができます。
 

平成28年度神漢連総会(1)



平成28年度神漢連総会(2)




功労者表彰(1)




功労者表彰(2)
 


石川忠久先生の特別講演

下の再生ボタン(▷) をクリックすると石川忠久先生の講演を
聞くことができます。



 


神漢連創立10周年祝賀懇親会










自詠自書・フォト漢詩等展示会(1)



自詠自書・フォト漢詩等展示会(2)

 
 石川忠久先生の賀詩

     神漢十年賀宴遇成

   清秋共會在金港  清秋共に会して 金港に在り

   座有鷗盟卓菜香  座に鷗盟あり 卓には菜香

   今日迎来十年宴  今日迎え来る十年の宴

   賀杯高擧意洋洋  賀杯 高く挙げて 意洋々

  窪寺 啓先生の賀詩

    
 次韻石川岳堂師賀詩

   終來賀會離金港  賀会を終り来たりて金港を離れ

   高閣堪嘗菜酒香  高閣 嘗むるに堪えたり菜酒香なり

   鷺約笑談華席賑  鷺約 笑談 花席賑わう

   詩縁高後更洋洋  詩縁 高後更に洋々たらん

 
●会報神奈川第20号特別記念号




 ●神奈川県漢詩連盟研修会の優秀作品と作者の感想


 Iグループ優秀作品と作者の松井秀人さんの感想

       過圓覺寺     円覚寺(えんがくじ)(よぎ)る    松井秀人

       松杉千樹綠陰深  (しょう)(さん) 千樹 緑陰深し

       晩照山門同古今  晩照の山門 古今(ここん)同じ

       白鹿尋師塵外境   (はく)鹿(ろく) 師を尋ぬ 塵外(じんがい)(きょう)

       鯨音隠隠淨人心  鯨音(げいおん) 隠々 心を(きよ)

(注)円覚寺の山号は瑞鹿山、開山は無学祖元。白毛の鹿の群が衆と共に、祖元の説法を聞いたという故事から。


 六期生の以文会に所属しています。日頃からの先生方のご指導に感謝しています。この詩は鎌倉漢詩会の仲間と一緒に円覚寺を訪ずれた時の詩ですが、城田先生から「円覚寺の特徴が詠まれていないなー」というご尤もなご指摘で、白鹿が無学祖元の説法を聞いた故事を取り入れて研修会に提出したものです。
 円覚寺の脇の入口から、樹林の緑陰が深い小径を進むと、晩照の山門の威容が見える情景を詠み転句に故事を取り入れ、結句で鐘聲の印象を詠んだ平凡なものです。
 今回は思いがけず高得票をいただきましたが実力が伴わないことは、本人が重々承知しているところで、先生方のレベルとの違いを痛感します。
現段階では、難しい詩語を使わずに分り易い詩を、と心掛けているのですが、それもできていないところですが、研修会の出席者からは分り易いという好意的な評をいただき、その点では意を強くしました。
しかし先生方からは、転句の読み下しの間違いを指摘されて修正し、結句の下三字は使い古しの平凡な表現とのご指摘をいただき、再検討中です。


 Ⅱグループ優秀作品と作者の芝公男さんの感想

    「賀祝錦織選手活躍」 錦織(にしこり)選手の活躍を賀す  芝 公男
        電撃發球穿地跳  電撃の発球(はっきゅう)(サーブ)地を穿(うが)ちて跳ねる

        打回對手側方逃  打ちて(かえ)す 対手の側方に()ぐを
        俊英無敵于邦内  俊英 邦内に敵無く
       世界排名爭最高  世界 排名(はいめい)(ランキング) 最高を争う

  二年前八期生として講習を終えてその秋の研修会に初めて参加し、今回で四回目になります。最初は不安でしたが今では研修会に参加するたびに鑑賞力(即ち作詩力にもなりますが)が着実に進歩していることを実感します。
  例会と違い研修会は初心者なりにチャレンジの場と思い、表現や発想で攻めることにしています。
  岡崎会長の冬季五輪の詩を見て漢詩を学ぼうと思い立ちましたので、今回のテニスの錦織選手を詠みましたのは、私なりの挑戦でした。研修会の日程がリオ五輪の直後で旬の(?)題材でしたので幸運でした。
 研修会は参加者の一人ひとりが主人公で、パフォーマーでもありますので、例会とは違った刺激と充実感があります。経験、知識、作詩レベル等々異なる参加者の詠み方や、考え方に触れ、自作への課題を認識できるだけではなく、時には自分自身でさえ気付かなかった自分の作品の良さを教えられ大きな励みとなり、作詩への意欲が一段と涌いてくる喜びがあります。

 今回の作品の詩題は提出時「祝錦織選手活躍」としておりましたが、祝より賀の方が漢詩らしいと指摘を受け改めさせていただきました。


  元神漢連理事の磯野衞孝先生が「唐宋聯珠詩格」を神漢連に寄贈

 
寄贈に際して磯野先生よりいただいたお手紙と寄贈本の写真を皆様にご紹介いたします。



  
 
 5月12日初夏の横浜港一周クルーズと銘打って神奈川県漢詩連盟の第12回吟行会の開催

 
参加者は35名で、当日は晴天に恵まれ、船上から蒼海、長橋、横浜の高楼、房総半島など美しい景色を見ながら、集合時に各自もらった韻字を使って一句 、即ち柏梁体を作り、達筆者の方に短冊に書いていただきました。下船後中華街の菜香新館で懇親会が開かれ、その中で提出された栢梁体を石川忠久先生がストーリーをつけて並べて下さり、すべての句を批評してくださいました。石川忠久先生と窪寺貫道先生も玉詩を作って下さり、詩心を解説してくださった。その後両玉詩は吟詠された。このように今回の吟行会は盛会のうちに終了した。
 吟行会の情景(写真)、柏梁体、石川、窪寺両先生の玉詩を以下に掲載してあり、更にその次に石川先生に参加者全員の柏梁体の中から優秀句として選ばれた句の作者、以文会の志村典子さんと八起会の富沢正永さんが一言ずつ書いてくださいましたので併せて掲載されております。ご一読ください。
     

              船から見る横浜                      上で風景を見ながら柏梁体のづくり  


      

         石川先生による柏梁体の批評                         懇親会

神漢連 第12回吟行会 柏梁体 (歌韻・麻韻) 平成28年5月12日

      ◎優秀句  ○優良句

      蛙閣閣雨斜      松井 秀人

      潮平如油雨天遮      岡田 泰男

      縹渺銀海受風多      長岡 巨知

     ○天晴風爽樂融和      平賀 康雄

      一鳶舞波鳴鴉      梅村 郁郎

     ○陽光燦燦浪如磨      三上 光敏

      長風弄潮鳥沙      中野 三琴

     ○海上遙望新緑阿      桜庭 慎吾

      初夏海濱芍薬芽      池上 一利

     ○薫風樹下美人車      山口 幸雄

      碧白波顔若花      室橋 幸子

      渦潮風起躍清波      柴田  洋

     ○晴天船上望青螺      永野  澄

      高聳天並運河      中島 龍一  

○櫛比瓊近酒家      水城まゆみ

      大鷗盟奢      川上 修己

     ○酔船酔景酔仙霞      城田 六郎

     ◎玄船甚揺酔夢婆      富沢 正永

     ○金港形勝酔酒歌      飯島 敏雄

     〇軌軸斬新大足誇      住田 笛雄

      繁華致處十分加      村上 良明

     ○船上一句思無邪      瀧川 智志

      臨景苦吟徒八叉      石川 忠久

     ○碧天風爽動詩魔      高津 有二

      餐食頭競麗華      田原 健一

     ○船蹴濤      秋吉 邦雄

      短帽風吹思孟嘉      窪寺  啓

     ○回船鷗影映窓紗      三村 公二

     ○海上長橋繋両堤      吉岡 昭夫

     ○眼前蹴波大船過      古田 光子

      雲外遙望玉蓮荷      上田 尤子

      富峰不見君莫嗟      三浦 哲郎

     ○夏光散海白雲      小菅 幸枝

     ◎海涯更又有天崖      志村 典子


 窪寺先生玉詩

 金港船潮碧深 金港 船を僦えば 潮碧 深し

 倚舷短帽海風侵 舷に倚れば 短帽 海風侵かす

 私虞時作孟嘉 私かに虞る 時に作る 孟嘉の亜

 疎髪何勝挿一簪 疎髪 何ぞ勝えんや 一簪を挿すを

 
柏梁体優秀句に選ばれた作者の一言 
 

   初参加の吟行会で珍事    八起会 富沢正永

 優秀句:玄船甚揺酔夢婆 玄船(げんせん)(はなは)()酔夢(すいむ)(ばば)
 

  船上吟行する前に、桟橋で柏梁体の韻字を引いた。何と「婆」の字だ。今まで用いたことの全く無い字で、早速中島龍一先生に教えを乞う。三例くらいしか用例がなく、私には意味もよく分らない。上船前に撃沈だ。

 上船すると年配の一般女性も多く「酔夢婆」がまず思いつく。次に金港は江戸時代に黒船来訪、世情騒然とも聞く。そこで「玄船甚揺」と上四字が浮かんだ。もう破れかぶれ。

 下船して中華街で石川忠久先生の講評と優秀句の選が始まった。十数句の優秀句と最優秀一句が選ばれ、選句と講評が終わった・・かと思いきや先生から“もう一つおもしろい句が”と私の句が読まれ、私はもうビックリ仰天。漢詩の神様と仰ぐ大先生に選んで頂き光栄極まりなく、一生忘れられない吟行会となりました。これもお「婆」さまと素晴らしい企画のお蔭と深く感謝しております。諸先生、諸先輩、同期の皆様、本当にありがとうございました。

 

神漢連会員「全国の漢詩大会」で大活躍

 受賞した皆様おめでとうございます。作詩の経緯や選者の評などの詳細は1月末発行の神奈川県漢詩連盟会報19号をご覧ください。

平成27年度  全日本漢詩大会福岡大会受賞者と作品
 
            テレビ西日本賞   中島龍一

     農村卽事      農村即事

   春社鼓簫鄕里天  春社の鼓簫(こしょう) 郷里の天

   ()が家か 檐下(えんか) 暖暄(だんけん)の辺

   頑童傍母剃頭處  (がん)(どう) 母に()いて剃頭(ていとう)の処

   惟有餛飩端膝前  惟有り餛飩(こんとん) (たん)(しつ)の前


              入選作品   香取和之

      流 螢        流螢(りゅうけい)

   孟夏晴宵淸爽風  孟夏(もうか)(せい)(しょう) 清爽(せいそう)の風

   流螢隱見兩三叢  流螢 (いん)(けん)す 両三(りょうさん)(そう)

   夜光寂寂如燐火  夜光 寂々(せきせき) 燐火(りんか)の如し

   魂魄歸來故里穹  魂魄(こんぱく) 帰り來る 故里の(そら)


           写真提供福岡漢詩連盟 外波辰雄氏

全国ふるさと漢詩コンテスト(佐賀県多久市教育委員会主催)受賞者と作品
             
               入選  川上修己

     柳蔭漁舟    柳蔭漁舟

  諏訪湖邊楊柳陂 諏訪の湖辺 (よう)(りゅう)()

  綠條戲水細鱗随 (りょく)(じょう)水に(たわむ)(さい)(りん)(したが)

  降帆繕網漁翁影 帆を降し網を(つくろ)(ぎょ)(おう)の影

  一葉扁舟映碧漪 一葉の(へん)(しゅう) 碧漪(へきい)に映

 諸橋轍次博士記念漢詩大会受賞者と作品

               秀作賞   永津憲明

     太極拳発稽古    太極拳発稽古

   暦新霜暁草堂中  (れき)(しん)の霜暁 草堂(うち)

   二十年來不捲翁  二十年来 不捲(ふけん)の翁

   舞態悠容如白鶴  舞態(ぶたい) (ゆう)(よう)白鶴の如し

   鶏聲喔喔曙光紅  鶏声 喔々(あくあく) 曙光紅なり

               秀作賞   小嶋明紀子

     宿山中道士居      山中の道士の居に宿す

   羨爾耽書又啜霞  (うらや)(なんじ)(しょ)(ふけ)(また)(かすみ)(くら)らひ

   雲端吹火化丹砂  雲端(うんたん)()()きて (たん)()()すを

   偶看組綬至門外  (たまたま)()()(じゅ)門外(もんがい)至る(いたる)

   知是山中宰相家  ()んぬ()山中(さんちゅう) 宰相(さいしょう)(いえ)

 
 ● 平成27年度神奈川県・東京都漢詩連盟合同吟行会盛大に開催

 ・  日 時 : 9月26日(土) 午前11時~15時40分

 ・  場 所 : 上野動物園・上野精養軒

 ・  会 費 : 8千円

 ・  出席者 : 東京都 13名(石川先生ご夫妻、窪寺先生のほか住田、池上両名を含む)

       神奈川県 17名(執行理事、運営委員以外は4名)の合計30名

 ・  実施概要

1. 上野動物園吟行

  午前11時に表門入口に集合、柏梁体の短冊配布、全員の記念撮影

  11時30分~午前12時20分

上野動物園園長、副園長による講話

上野動物園の沿革、飼育動物の現況、蓮池、昆虫類の話等

  その後園内を散策

2. 上野精養軒懇親交流会 

午後1時10分~3時40分    司会:東京 淺岡副会長

(ア)   主催者挨拶:神奈川県 田原副会長、東京都 窪寺会長 乾杯 三村事務局長

(イ)   柏梁体の講評 

 石川先生が柏梁体を時系列順に配列(東京都スタイル)され、

 各句の講評があった。

(ウ)   会食しながら全員による自己紹介、柏梁体の感想等  

   石川先生による李白「早發白帝城」の講話

   石川先生、窪寺先生の玉詩披露、住田さんの吟詠

 ・ 石川先生の即興玉詩

    江都雨止一天晴       江都 雨止んで 一天晴れ

    東叡山頭秋氣清       東叡山頭 秋気 清し

    両所鷗盟風雅起       両所の鷗盟 風雅起こり

    猿聲不聴有吟聲       猿声 聴かず 吟声有り

 

 ・ 窪寺先生の即興玉詩

    猿公囿苑峭巖敧       猿公の囿苑 峭巖 敧ち

    忽降忽登逐又随       忽ち降り 忽ち登り 逐い又随う 

    未聴三聲叡山畔       未だ三声を聴かず 叡山の畔  

      断腸何用戯遊時       断腸 何ぞ用いん 戯遊の時    



 

参加者集合写真



 

動物園見学(白熊)




動物園見学(ハシビロコウ:動かない鳥!)




石川先生による柏梁体の解説

 
● 第十回神奈川県漢詩連盟 総会(記念講演を含む)および懇親会盛大に開催

       総会 平成27年5月20日    13:00~15:50 横浜市 神奈川近代文学館にて

       出席者   74名            

       記念講演  石川忠久先生 演題『江戸後期の詩人たち』

        聴講者    74名

        懇親会    16:00~18:00 ポートヒル横浜 4階ホール   

        参加者   44名

 

 
総会会場風景

 

懇親会


 
 
 
 
 
 
 懇親会において,石川忠久先生と窪寺啓先生より下記のお祝いの玉詩をいただきました。
 
石川 忠久 作

      新知舊識垂三百  新知旧識 三百に垂んとす

      切磋年年意自雄  切磋年々 意自から雄なり

     席捲扶桑文氣盛  扶桑を席捲して文気盛んに

     更加溌溂女郎風  更に加わり溌剌たる女郎の風

窪寺 啓 先生作

     高堂佳宴笑談融  高堂の佳宴 笑談()

     金港詩人意氣雄  金港の詩人意気(さかん)なり

     歳歳親交及三百  歳々親交三百に及ぶ

     蜻州最盛靚妝風  蜻州最盛靚妝(せいしょう)の風
 
平成26年度 


第4回サークル交流会「バトル漢詩甲子園」 ”盛会のうちに終了いたしました。
                        下の動画をご覧ください。”

   

1、      開催日時:201536日(金)

   ・バトル;1400分~1650    

 ・懇親会;1700分~1830

2、      開催場所:

・バトル;神奈川近代文学館大ホール 

・懇親会;ポートヒル横浜4F

3、      参加者:71名

・会報で一般からも参加者を募る。サークル会員に限定しない

・但し、バトル参戦は18期生と岳精会の9サークル代表のバトラー

  ・尚、会場からも適宜バトルに参戦できる

4、      詩吟 :

・最優秀作品のみバトル会場で吟詠、自詠自吟が基本だが代理でも可

・その他の作品(2位以下)は懇親会場で吟詠

5、      書およびフォト漢詩 :

・書は昨年の添削詩、或いは今回提出の詩のいずれでも可

・自詠自書が基本だが代理でも可

・フォト漢詩はA4サイズ
 

6、      懇親会 :例年通り実施 

 第3回バトル漢詩甲子園のスナップ写真

 













 

第3回バトル漢詩甲子園動画(下の画像をクリックしいてください,動画の画面は拡大できます)
 
             
 
 
 東京都と神奈川県漢詩連盟の合同吟行会                                    

        時期     平成26年10月30日(木)  11:00~16:00

        目的     真鶴半島の石川忠久先生の詩碑見学、お林展望公園を自由散策、
                旅館「岩忠」で懇親会


        参加者    59名

 

吟行会写真と動画(下の画像をクリックしてください)
 
   
 
 
 ● 平成26年度 秋の研修会; 従来と同じ「選句方式」で、3グループに分けて実施されました     

       時期   Aグループ 10月 7日(火) 午後1時~5時

             Bグループ 10月15日(水) 午後1時~5時

            Cグループ 10月22日(水) 午後1時~5時

       場所  横浜市,神奈川近代文学館

       参加者 Aグループ;18名, Bグループ;12名, Cグループ;14名

 
   
 上の静止画をクリックすると動画で見られます  
   
 
   
   
 
 ● 平成26年度 神奈川県漢詩連盟 初心者入門講座

  ・    時期       4月10日(木)、4月25日(金)、5月8日(木)5月23日(金)、6月5日(木)、6月19日(木),7月31日(木) 
             の計7回の授業 毎回午後1時~4時 
  ・   場所       神奈川近代文学館 2階会議室 
  ・  講師          岡崎満義会長ならびに連盟役員 
  ・  受講生     35名
 講座風景
   
   
   
 
 左下の三角の再生ボタンをクリックするとさらに多くの講座の風景写真がスライドショウが見られます
 
 
   
 ● 第九回神奈川県漢詩連盟 総会(記念講演を含む)および懇親会盛大に開催

       総会 平成26年5月22日    13:00~15:30 横浜市 神奈川近代文学館にて

       出席者   64名            

       記念講演  石川忠久先生 演題『漱石に見る漢字文化の受容』

        聴講者    70名

        懇親会    16:00~18:00 KKRホテルポートヒル横浜 4階ホール   

        参加者   44名

左下の三角の再生ボタンをクリックすると総会等の風景写真がスライドショウが見られます. 
 
 
 
 
平成25年度
 
神奈川県内の真鶴町に全日本漢詩連盟石川会長の詩碑建立さる

                                                       全日本漢詩連盟常務理事  
                                                        神奈川県漢詩連盟監事  
                                                                 住田笛雄  


 全日本漢詩連盟は平成25年3月21日を以って、創設10周年を迎えた。これまで、10周年記念事業として、全国漢詩大会の開催や、自詩自書を中心とする文人展の開催などを実施してきた。
 全日本漢詩連盟は、会員も年々増加の傾向にあり、消えかかっていた日本の漢詩の火を、再び燃え榮えさせる上で、一定の成果を挙げてきた、といえよう。これもひとえに石川会長の熱のこもったご指導によるところが大である。
 そこで、10周年記念事業の一つとして、会長の御指導に感謝すべく、詩碑を建立する計画が、窪寺常務理事を責任者として、進められてきた。
 1年半に亘る検討、推進の結果、去る平成26年3月30日(日)無事、詩碑の入魂式が執り行われた。
 場所は、我が神奈川県内の風光明媚な、美の町、真鶴町の、お林展望公園の一角で、背後には二本の松の巨木が碑を見守るようにあり、傍らには桜の古樹が祝福するように満開であった。 碑の材は、地元産の本小松石で、石川会長の現地に立たれての感慨を詠まれた七言律詩を、これも地元の小澤石材(株)が刻字から建立作業までを担当した。
 当日は、地元の貴船神社の宮司による祝詞奏上、お祓いの後、石川会長ご夫妻により、除幕の紅白の紐が引かれて、参会者一同の盛大な拍手のうちに式は滞りなく終了した。
 真鶴町からは、宇賀町長代理として教育長の御臨席を戴いた。引続いて、石川会長より、碑に刻まれた七言律詩について、詩意の紹介があり、一同感慨深く拝聴した。

    真鶴海岸書懐   岳堂    
   背指霊峯向海潯  霊峰を背指して 海潯に向へば
   洪波縹緲舞遊禽  洪波縹渺として 游禽舞ふ
   一條航跡青螺泛  一条の航跡 青螺泛び
   萬里雲間白日沈  万里の雲間 白日沈む
   曠士壯懐空眼界  曠士の壮懐 眼界空に
   騒人雅興満胸襟  騒人の雅興 胸襟に満つ
   巌頭佇立馳遙思  巌頭佇立して遥思を馳すれば
   何羨棲遅丘壑心  何ぞ羨まん 棲遅 丘壑の心

 最後の句で、どうして引退して山奥に籠りたい、という心などを、羨むことがあろうか、と、生涯現役で頑張られる決意を示された如くである。これからも引き続き、全日本漢詩連盟を引っ張ってのご活躍を、切に願うものである。

 
 
 
第3回サークル交流会「バトル漢詩甲子園」 ”盛会のうちに終了いたしました。
                        下の写真と動画をご覧ください。”

   

1、      開催日時:201437日(金)

   ・バトル;1400分~1650    

 ・懇親会;1700分~1830

2、      開催場所:

・バトル;神奈川近代文学館大ホール 

・懇親会;ポートヒル横浜4F

3、      参加者:64名

・会報で一般からも参加者を募る。サークル会員に限定しない

・但し、バトル参戦は17期生と岳精会の8サークル代表のバトラー

  ・尚、会場からも適宜バトルに参戦できる

4、      詩吟 :

・最優秀作品のみバトル会場で吟詠、自詠自吟が基本だが代理でも可

・その他の作品(2位以下)は懇親会場で吟詠

・いずれもコンダクター伴奏を岳精会に依頼する、審査はしない

・吟者決定/連絡は1月末 各世話役 文書担当(吉岡)に連絡

5、      書 :

・対象は昨年の添削詩、或いは今回提出の詩のいずれでも可

・自詠自書が基本だが代理でも可

6、      懇親会 :例年通り実施 

 
 
 
 
 
 


バトル漢詩甲子園の動画

 
東京都と神奈川県漢詩連盟の交流会                                    

        時期     平成26年2月22日(土)  10:30~16:30

        場所     横浜市 三溪園

        参加者    30名


参加者集合写真
 

 三溪園内風景
 
 
 

柏梁体短冊清書
 

      柏梁体貼り付け                         石川忠久先生による講評   
   


交流会(懇親会&柏梁体の解説)の動画


● 平成25年度 吟行会     

        時期     平成25年11月26日(火)  10:00~16:00

       目的地    鎌倉 : 鶴岡八幡宮、白旗神社、頼朝の墓、荏柄天神社、鎌倉宮(大塔宮)

       参加者    38名


吟行会風景
 
   
   

吟行会の多くの写真スライドショー   



● 平成25年度 春の研修会; 従来と同じ「選句方式」で、3グループに分けて実施されました     

       時期   Aグループ 6月 4日(火) 午後1時~5時

             Bグループ 6月12日(水) 午後1時~5時

            Cグループ 6月18日(火) 午後1時~5時

       場所  横浜市,神奈川近代文学館

       参加者 Aグループ;21名, Bグループ;21名, Cグループ;20名


Aグループの研修風景
 
   

Bグループの研修風景 
   

Cグループの研修風景
 
   


● 第八回神奈川県漢詩連盟 総会(記念講演を含む)および懇親会盛大に開催

     総会 平成25年5月22日    13:00~15:30 横浜市 神奈川近代文学館にて

       出席者   69名            

      記念講演 石川忠久先生 演題『漱石に見る漢字文化の受容』

       聴講者   69名(岳精会より4名聴講を含む)

      懇親会               16:00~18:00 ホテルポートヒル 4階ホール

       参加者   51名(岳精会より3名参加を含む)  

総会・記念講演・懇親会の風景 総会の動画 講演・懇親会動画



   
  


● 平成25年度 神奈川県漢詩連盟 初心者入門講座  受講生皆卒業いたしました

       期間  平成25年4月11日~6月27日 13:00~16:00  (月2回,計6回)

       場所  横浜市,神奈川近代文学館

       受講生 23名

       講座内容

         岡崎連盟会長の挨拶

         田原副会長他による講義: 漢詩のルールを学び、自分で七言絶句の漢詩を作ることが

          出来るようになるまで、少人数毎の指導


初心者入門講座風景   
   動画(下)でもご覧ください 
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回
 

 

 
   
     

  講義を受けた後5~6人の班に分かれて「寺子屋方式」にて作詩法の指導を受ける 
     
   
  
   
   
 
   
   
   

 講座の会場である神奈川近代文学館のまわりの景色
  写真提供:川上修己



 平成24年度
 

平成24年度全日本漢詩連盟大会で本会会員が文部科学大臣賞、斯文会理事長賞、秀作
 および佳作を受賞

   ・時期  平成25年3月23日(土) 13:40 ~ 19:30

   ・場所  二松學舍大 九段学1号館 中洲記念講堂 (東京都千代田区)

 
     特別賞 文部科学大臣賞    石川省吾先生 「黄山初陽」     

黄山初陽                黄山(きざん)初陽(しょよう)

拂曉冒寒孤倚筇     払曉(ふつぎょう) (かん)(おか)して (ひと)(つえ)()

東天漸白泛奇峯     東天(とうてん) (ようや)(しら)んで 奇峯(きほう)()かぶ

忽穿雲海一條箭     (たちま)雲海(うんかい)穿(うが)つ 一條(いちじょう)()

先射山巓蟠屈松     ()()山巓(さんてん) 蟠屈(ばんくつ)(まつ)



 特別賞 斯文会理事長賞    中島龍一さん  「秋日漫興」     

  秋日漫興           (しゅう)日漫(じつまん)(きょう)

 天靑雲白恣閑游      (てん)(あお)く (くも)(しろ)く 閑遊(かんゆう)(ほし)いままにす

 野寺門庭丹柿稠      野寺(のじ)門庭(もんてい) (たん)()(しげ)

 欲盜村童伺回首      盗まんと(ほっ)する村童 (うかが)いて回首(かいしゅ)すれば

 路隅石佛閉雙眸      路隅(ろぐう)石仏(せきぶつ) 双眸(そうぼう)()



      秀作            城田六郎さん  「懷福島舊友」   

  懷福島舊友          福島(ふくしま)旧友(きゅうゆう)(おも)

 移居廿歳山河      (きょ)(うつ)して廿(にじゅつ)(さい) 山河(さんが)(へだ)

 雪月花時定興多      雪月(せつげつ)花時(かじ) (さだ)めて(きょう)(おお)からん

 聞説停杯專養老      聞説(きくなら)(はい)(とど)め (もっぱ)(おい)(やしな)うと

 宿痾消渴近如何      宿痾(しゅくあ)消渇(しょうかつ)(ちか)ごろ如何(いかん)


  (注)白文で「隔」、「花」はパソコンの関係で旧字を使えず常用漢字を使いました。



    佳作        古田光子さん  「颶風一過」     

  颶風一過           ()(ふう)(いっ)()

 早曉始知風雨收      早暁(そうぎょう)(はじ)めて()る (ふう)()(おさ)まるを

 曳筇潦水滿田疇      (つえ)()けば潦水(ろうすい) (でん)(ちゅう)()

 花飛草亂池塘畔      (はな)(とび)草乱(くさみだ)る ()(とう)(ほとり)

 喜看鳧雛浴日游      (よろこ)()()(すう)()()びて(およ)ぐを


 (注)白文で「花」はパソコンの関係で旧字を使えず常用漢字を使いました。



   入選        萬谷美次さん  「九十九里濱朝景」   

 九十九里濱朝景       ()(じゅう)()()(はま)朝景(ちょうけい)

 煙波迢迢麗初陽      (えん)()迢迢(ちょうちょう)として(しょ)(よう)(うるわ)

 曳網包圍海一方      (あみ)()包囲(ほうい)す (うみ)一方(いっぽう)

 乍見銀鱗撥汀渚      (たちま)()銀鱗(ぎんりん) 汀渚(ていしょ)()ねるを

 衆人朗朗祝歌長      (しゅう)(じん)朗朗(ろうろう) (しゅく)()(なが)








   入選        小林榮一さん  「茗溪涼月」    



   茗溪涼月           茗渓(めいけい)(りょう)(げつ)

 一輪涼月十分秋      一輪(いちりん)(りょう)(げつ) 十分(じゅうぶん)(あき)

 何幸良宵散歩遊      (なん)(さいわ)いなる(りょう)(しょう) ()(さん)じて(あそ)

 獨領淸風茗溪上      (ひと)清風(せいふう)(りょう)す 茗溪(めいけい)(ほとり)

 騷人佇處桂香浮      騒人(そうじん)(たたず)(ところ) (けい)(こう)()かぶ



 


   授賞式風景    

動画ここをクリックでご覧ください
 

 
第2回サークル交流会「バトル漢詩甲子園」 ”盛会のうちに終了いたしました。
                        下の記事と動画をご覧ください。

   ・時期  平成25年3月15日(金) 14:00 ~ 18:30
   ・場所  中華街 菜香新館

 

サークル交流会『バトル漢詩甲子園』開催さる

                       三村公二   

神奈川県漢詩連盟の初心者入門講座は今年で7年目になる。そこで作詩の勉強を始めた人達が講座終了後に勉強会を作り、既に1期生~6期生の6つのサークルが活動している。これに、昨年、詩吟の岳精流日本吟院の方々が立ち上げた漢詩研究会が加わり、現在では合計7つのサークル(勉強会)になっている。その人数は、総勢約100人、会員の約半分で、連盟の大きな原動力になっている。
 この7つのサークルの親睦交流を図る目的で、本年3月15日(金)に第2回サークル交流会『バトル漢詩甲子園』を開催した。『バトル甲子園』とは、サークル間でお互いの詩の優劣を論じ合うと云う意味で、面白おかしく名付けたのであるが、窪寺先生によれば、「平安時代に“詩合(しあわせ)”という詩人を複数人ずつ左右に分けて、与えられた詩題の漢詩を作り、撰者(判者)が優劣を判定して勝負をつける文学的遊戯があった。959年8月16日に清涼殿の村上天皇の前で催されたのが最初とされ、“闘詩”の言葉も見られる」ということで、偶然とはいえ良いネーミングであった。 具体的には次のような手順で実施した。

     1、各サークルが過去1年間で最も出来がよい詩を会員の互選で2首選択。
     2、こうして集まった14首を窪寺先生に提出。添削と同時に優秀作品6首の選定をお願いした。
     3、当日、窪寺先生の評価結果を知らない各サークルから選ばれたバトラーの7人が提出された14
         首の詩の優劣についてバトル(論戦)を行った。
     4、バトル終了後、朱の入った窪寺先生の詩の添削結果をスライドで写し、これを見ながらバトル内
         容の妥当性を含めた漢詩作法についての講義を受けた。
     5、その後、窪寺先生が選ばれた優秀作品の発表と表彰式(作者名はここではじめてオープン)を
         行い、岡崎会長から作者に表彰状と賞品を手渡した。
     6、続いて懇親会に移り、その中で、各サークルの喉自慢が自分達が選んだ詩を朗朗と吟じ、懇親
         会を盛り上げた。

初めての試みであったので実行委員会を作って皆で手分けして実施したが、いろいろな苦労があった。「バトル」の勉強の為に高校生の「読書甲子園大会」の見学にも行った。又、先生の添削内容が皆に漏れないように、担当者を限定してプロジェクタースライドを作成したり、先生が選ばれた優秀作品の入った封筒を講義開始直後に初めて封を切り、表彰までの1時間で表彰状を手書きするといったような色々な工夫をした。 幸いなことに、各サークル代表のバトラー(論者)が非常に良く勉強をしてきていて、鋭い指摘と激しいバトルが続き最高に盛りあがり、窪寺先生の講話はこのバトルという前段があった為に、皆さん非常に良く理解できたようである。

受賞したのは次のサークルで、長く勉強を続けてきたサークルが必ずしもよい成績をおさめたわけではないと云う、何かと考えさせられるような結果となった。

   ・ 最優秀賞  秋夜偶成  (五友会・5期生)  飯島 敏雄
   ・ 優秀賞  謁金毘羅宮  (詩游会・4期生)  川上 修己
   ・ 優秀賞  秋水小景  (以文会・6期生)  秋吉 邦雄
   ・ 佳作  秋夜  (三水会・2期生)  大谷 明史
   ・ 佳作  遊沙木尼白郎峰  (詩游会・4期生)  板本 健作
   ・ 佳作  樹下閑吟  (金星会・1期生)  内村 才五

    「最優秀賞」
    秋夜偶成         飯島 敏雄
  夜闌輾轉睡難成    夜闌 輾轉 睡成難く
  牀下孤蛬切切鳴    牀下 孤蛬 切切と鳴く
  枕肘暫時懷往事    肘を枕にし 暫時 往事を懐かしめば
    西風似語舊朋聲     西風 似せて語る 旧朋の声

 第2回サークル交流会「バトル漢詩甲子園」の動画。

 1.開会式  開会式
 2.バトル漢詩甲子園  甲子園
 3.窪寺啓先生による批正・講評 批正
 4.懇親会:優秀作品の表彰  表彰式
 5.懇親会:田原副会長挨拶
       作品の朗詠(前編)
朗詠1
 6.懇親会:作品の朗詠(後編)
       朗詠の講評 
朗詠2



平成24年度 秋の研修会

  ・ 時期      Aグループ 10月9日(火) 午後1時~5時   参加者 26名  

                   Bグループ 10月24日(水)  午後1時~5時  参加者 27名

     場所       神奈川近代文学館 2階会議室
 

グループAの研修風景 
   

グループBの研修風景 
   



平成24年度 初心者フォローアップ研修会

  ・ 時期      10月3日(水) 午後1時~5時   参加者 19名  

  ・ 場所       神奈川近代文学館 2階会議室
 

研修風景 
   



● 平成24年度 春の研修会

  ・ 時期      Aグループ 6月12日(火) 午後1時~5時   参加者 25名  

                   Bグループ 6月26日(火)  午後1時~5時  参加者 26名

  ・ 場所       神奈川近代文学館 2階会議室
 

研修会に先立ち、漢詩の蔵書を多数寄贈された
大本久氏に岡崎会長より感謝状の贈呈 

グループAの研修風景 
   

グループBの研修風景 

参加者による作品の採点集計風景 
   



● 第七回神奈川県漢詩連盟 総会(記念講演を含む)および懇親会盛大に開催

     総会 平成24年6月22日    13:00~15:30 横浜市 神奈川近代文学館にて

                 出席者   70名            

       記念講演 石川忠久先生 演題『杜甫の詩を味わう』

       聴講者   85名(岳精会より15名聴講を含む)

      懇親会               16:00~18:00 ホテルポートヒル 3階ホール

       参加者   49名(岳精会より3名参加を含む)  


総会での岡崎会長の挨拶

総会の一コマ

 石川先生の祝辞

石川先生の特別講演 「杜甫の詩を味わう」

懇親会の一こま