神奈川県漢詩連盟の概要

神漢連のよき伝統を生かそう

神奈川県漢詩連盟 会長  香取 和之

 この度、神奈川県漢詩連盟の会長を三村公二前会長から引き継ぐことになりました。皆様、宜しくお願いいたします。三村会長、長年のご尽力有難うございました。
 神漢連は平成18年(2006)に設立され、早や17年になります。現在、凡そ230名の会員を擁しています。神漢連は、初代中山清会長に始まり、二代岡崎満義会長、三代三村公二会長と引き継がれ、私が四代目となります。事務局長は、田原健一氏に始まり、桜庭慎吾氏、三村公二氏、高津有二氏と引き継がれ、この度久川憲四郎氏が就任しました。 

 この間、神漢連は以下の三原則のもと発展してきたと認識しています。
1.多様な人材が集まり、その意見・経験が生かされる。
2.「漢詩を学ぶ、漢詩で遊ぶ」をモットーとする。
3.毎年「漢詩入門講座」を開催して新規会員を迎え入れ、さらに同期漢詩サークルを結成する。

 第1項の多様性については、趣味では詩吟や書道の愛好家など、現役時代は民間企業・役所・学校など、いわゆる文科系・理科系、男性・女性、ITに強い人・中国語に堪能な人など…。このような多様性があるので、各漢詩サークルには活気があり、また最近ではZOOMを用いた諸活動や七絶推敲表の開発・活用などに繋がっていると思います。尚、弱点としては、若い会員が少ないことと、漢学・漢詩の正規教育を受けた会員がほとんどいないこと、などです。

 第2項のモットーについては、私は以下のように受け止めています。
① 我々は漢詩を熱心に、且つのびやかにゆったりと学び、そして豊かな人生を送るための一助としている。珠玉の詩句への感動、生活のうるおい、描写の妙に触れること、名所旧跡訪問の楽しみ…。
② 漢詩を学ぶ活動のなかに、常に漢詩を楽しみ、遊ぶ要素を取り入れる。オンライン吟行会、「自詠自書」、「自詠自吟」…。

 第3項は「金港方式」として、故石川忠久先生からお褒めの言葉を頂いたものです。
① 今年も4月から5月にかけて26名の方々が全5回の「漢詩入門講座」を受講され、古今の名詩を鑑賞すると共に、「だれにでもできる漢詩の作り方」を用いて、七言絶句を一首作れるようになりました。
② やり方としては、講義と共に、神漢連の会員が数の少人数グループ毎に実作指導を行っています。
③ 更に、新会員が同期のサークルを作り、そこに作詩レベルの高い会員を講師として派遣し、作詩の学習を自主的に続けています。現在15のサークルがあり、今回また一つ仲間が増えるのは嬉しいことです。

このように、神漢連には諸先輩が築き上げたよき伝統があり、それを大切にしながら時代の変化にも対応していきたいと思います。

尚、文末の紹介となりましたが、副会長は経験豊富な水城まゆみ氏と新井治仁氏にお願いして、執行体制を強化しています


長い間ご協力ありがとうございました!

神奈川県漢詩連盟 前会長 三村 公二

 会長に就任した時、ある女性会員から「会長というのは、何事があっても太陽のようにそれを優しく見守っていかなければなりません。貴方の性格でそれができるかしら。」と言われたことを胆に銘じて6年間努めてきたつもりですが、とても太陽にはなれなかったと今は反省しきりである。会長に就任する前に事務局長を四年間務めたので、役職が随分と長くなってしまったという思いが強くそろそろ後の方々に引き継いでいきたいというのが今回辞任を申し出た理由である。

 振り返ってみると、少しは仕事らしきものをしたなという実感があるのは初期の無役の時と事務局長時代で、会長になってからは、自ら手を下していないせいか、あまり仕事をしたという感慨がない。例えば、鑑賞会をやりましょうと提案し、鑑賞会AとBが始まった事、故城田六郎さんから詠物詩選の中から七言絶句だけを抜粋した手書きの資料を見せられた時、これを冊子にしましょうと提案して手分けしてPC入力して叢書にした事、松井さんと一緒に神奈川県高等学校教科書研究会国語部会の先生を尋ねて、「神奈川県郷土文学資料漢詩文編」の中から七言絶句を選んで冊子にする許可を取りに行ったこと(漢詩八十景)、創立十周年を記念して神漢連単独で全国漢詩大会を開催した事、等々が懐かしく思い出されるが、全て会長就任以前の出来事である。

 これ等は全て、初代故中山会長、故田原元事務局長、二代岡崎会長、桜庭元事務局長等が引かれた路線と、故石川忠久先生、窪寺啓先生のバックアップがあって、初めて成し遂げられた成果である。

 会長になってからはこれら諸先輩方の路線を踏襲していくことに注力してきた。具体的には「漢詩を学ぶ 漢詩で遊ぶ」をモットーとして漢詩入門講座とそれに続くサークル活動、鑑賞会、叢書の発刊、漢文講座などの勉強会など、伝統を守り、神奈川ならでの催しをさらに充実してきたつもりである。

 この度の新しい体制・人事を理事会・総会で承認していただき、全てを香取会長以下の新執行陣に引き継ぎ、神漢連が更なる発展をしていくことを願っている。

 皆さん、長い間いろいろとご協力ありがとうございました。




活動の概要

 神奈川県漢詩連盟は県下の漢詩愛好者の交流・研鑽の場として、平成18年10月に発足して17年を経過し、現会員約235名を擁しています。
その活動は、“漢詩をぶ、漢詩で遊ぶ”をモットーに会員相互の交流を下記の如く広範囲にわたり展開しています。又、全日本漢詩連盟と連携した活動も行っています。


会報
 年2回、会報「漢詩神奈川」を発行し、作詩力の向上、漢詩鑑賞に資する記事、会員からの投稿、会員間の研鑽・県民との交流の情報などを提供します。

研修会・吟行会
 昨年は3年ぶりに春期に研修会を行い、熱のこもった詩談が交わされサークル横断の交流の機会になっています。今年は12月20日(予備日12月15日)に開催の予定です。zoomによるオンライン吟行会は8月24日に行われましたが、来春2月26日にも行われる予定です。 

漢詩入門講座
 これから漢詩の勉強を始めようとされる方には、毎年4~6月に計5回の漢詩入門講座を開設しています。
講座終了後、受講生が自発的に作った漢詩サークルが既に15、 詩吟団体岳精流日本吟院の漢詩研究サークルが2と合わせて合計15サークルがあり、それぞれ講師がついてヶ月に一度の頻度で勉強会を実施しています。

漢詩鑑賞会
 漢詩の鑑賞会はそれぞれ目的と内容が異なる「A」、「B」、「C」と女性会員だけの「霧 笛(無敵)女子会」の四つがあり、詩作をしない人も広く漢詩を楽しんでいます。

漢詩講演会
 漢詩にかかわる講演会を年2回開催しています。今年度は春は5月30日鷲野正明先生による旅する杜甫という講演会が開催されました。秋は11月1日に高芝麻子先生による「神奈川県の旅する漢詩」という講演会を開催する予定です。

神辞会
 神辞会はインターネットやパソコン、モバイル機器で使えるツールや情報を整備し、漢詩創作の一助とする試みを行なっているグループです。神辞会のサイトから一般公開対象のツールの閲覧やファイルのダウンロードができます。

自詠自書の会
 自詠自書の会は、自ら詩作した漢詩を、自らの筆意をもって揮毫した作品を展示・発表しています。作品の展示を通して、会員相互、他の会との親睦を図り、漢詩の書作の研鑽を積んでいきます。

大簡会
 平成22年、第25回国民文化祭が岡山県で開催された時に、岡山県出身の昭和の大詩人阿藤伯海(雅号、大簡)の「大簡詩草」が復刻発刊された。故酒井健太郎さんが、神漢連有志で勉強会をしようと発足したのが「大簡会」である。

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組織と役員

理事
 岡田泰男、古田光子、横山真吾、室橋幸子、中島龍一(新)、飯島敏雄(新)、高津有二(新)

執行理事(役員)
 会長 香取和之
 副会長  水城まゆみ、新井治仁(新)
 事務局長 久川憲四郎(新)
 事務局次長 東島正樹(新)
 瀧川智志、山口幸雄、蔦清昭、柴本信子、白石信隆、五嶋美代子、高橋純子、牛山知彦(再)、高田宗治(新)

監事 
 松井秀人、鈴木正敏

特別相談役
 岡崎満義三村公二(新)

相談役
 住田笛雄

顧問
 窪寺啓、浅岡清明、池上一利

特別会員
 市川桃子、高芝麻子、後藤淳一、菅原武

運営委員
 家吉幸二、田川行雄、岩波弘道、竹村文孝、橋本孝一、田内隆、中村講二、内山早奈江

、吉池純、大森冴子

 



竹林舎
 玉井幸久、飯沼一之、古田光子、住田笛雄、三村公二(新)、水城まゆみ(新)、中島龍一(新)、高津有二(新)

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規約

令和3年 10月 14日改定

神奈川県漢詩連盟規約

(名称)
第 1 条 本会は、神奈川県漢詩連盟と称する。

(目的)
第 2 条 本会は、神奈川県における漢詩の研究、普及並びに交流を目的とする。

(活動)
第 3 条 本会は全日本漢詩連盟(以下、全漢連という)の下部組織として、その目的達成のための活動を行う。
2 本 会は、 神奈川県下の全漢連傘下の友好漢詩団体と連携、協力して、漢詩の普及や 啓蒙活動に取り組む。
(会員及び会費)
第 4 条 本会は、本会の目的に賛同する者をもって会員とする。
2 会員は一般会員、賛助会員及び法人会員の 3 種類とし、各々入会手続きをとり 4 項の会費を納めた個人及び法人を会員とする。
3 一般会員、賛助会員について全漢連との関係は次の通りとする。
*全漢連個人賛助正会員 (個人として全漢連に入会)
*全漢連個人一般正会員 (個人として全漢連に入会)
*全漢連個人一般正会員 (本会経由で全漢連に入会)
*全漢連一般団体正会員 (一般漢詩団体経由で全漢連に入会)
*全漢連個人地区会員 (本会のみの会員で全漢連に人数のみ登録)
4 会費は、一般会員は年 2,000 円、賛助会員は 1 口 10,000 円、法人会員は 1 口50,000 円とする。
① 10月1日以降に入会した一般会員の会費は、当該年度の1/2、年 1,000 円とする。
② 上記とは別に本会経由の全漢連会員からは、下記の全漢連年会費を徴収し、本会から全漢連に一括納入する。
全漢連個人一般正会員:2,500 円/年とする。これに伴って、全漢連からの資料は本会経由で上記会員に配布する。
5 入退会手続き
① 入会は所定の申込書によって必要事項を記載して事務局に申し込む。
② 退会は口頭または書面(書式自由)で事務局に申し出る。
③年会費が 2 年以上未納の場合は自然退会とする。
④本会の運営を著しく妨害する行為があった会員には、理事会で協議して、適宜にしかるべき対応を決めることが出来る。

(特別会員)
第5条 前条の規定で定める会員のほか、特別会員を設ける。
2.特別会員は、漢詩・中国文学の学識経験者で、本会の運営及び会員の教育を支援する意思を有する者とする。
3.選任手続は、会長が依頼し、承諾を得た上で、理事会で決定し、総会で承認する。
4.特別会員の会費は無料とし、本規約に定める会員(第4条の規定により定める者)についての規定は適用しない。

(事業)
第6条 本会は、その目的を達成する為、次の事業を行う。事業内容については細則に定めることが出来る。
(1)教育関連事業
初心者入門講座、研修会、漢詩鑑賞会等
(2)出版関連事業
神奈川清韻、神漢連叢書
(3)広報関連事業
会報「漢詩神奈川」、ホームページ
(4)趣味関連事業
自詠自書
(5)その他本会にふさわしい事業
吟行会、サークル交流会等
2 趣味関連事業において新しい事業を開始する場合は運営委員会の承認を得るものとする。

(役員)
第7条 本会を運営するため、次の役員を置く。
会長 1 名
副会長 若干名
理事(執行理事を含む) 若干名
事務局長 1 名
監事 2 名以内

2 その他必要に応じて会長の委嘱により顧問、相談役及び名誉会長を置くことが出来る。

(役員の選任)
第8条 役員の選任は次の通りとするが、理事会で決定、総会で承認することを原則とする。
(1)会長は、理事会で理事の互選とする。
(2)理事は、会長が推薦し、理事会の承認を経て、総会で承認する。
(3)副会長は、理事の中から会長が指名する。
(4)執行理事は、会長が理事の中から指名する。
(5)事務局長は、会長が執行理事の中から指名する。
(6)監事は、会長が会員の中から指名する。但し理事またはその他の役員と兼務することは出来ない。

(役員の任務)
第9条 役員の任務は、次の通りとする。
(1)会長は本会を代表し、会務を統括する。
(2)副会長は、会長を補佐し、会長に事故ある時は、会長の職務を代行する。副会長が複数の場合は、予め理事会において定めた順位に従って会長代行の任に就く。
(3)理事は、理事会を構成し、総会に諮る予算、決算および本会の運営に係わる重要案件を審議し、その決定事項を総会に提案する。
(4)執行理事は、正副会長と共に会務を運営執行する。
(5)事務局長は、会長の指示を受け、本会の事務を統括、推進する。
(6)事務局長のもとに次の実行グループを置き分担して本会の運営を行う。
   ①総務・企画グループ ②教育グループ ③事業グループ④広報グループ ⑤会計
(7)監事は、会務及び会計の監査を行う。

(役員の任期)
第10条 役員の任期は 2 年とし、再任を妨げない。また、欠員補充として選任された役員の任期は、前任者の残余期間とする。

(運営委員)
第11条 運営委員の選任及び任務は次の通りとする。
(1)運営委員は、漢詩サークルの代表者及び本会運営のために必要な知識、技能を有している人の中から会長が推薦し理事会の承認を経て総会で承認する。
(2)運営委員は、会長、副会長、執行理事と共に運営委員会を構成し、会務の運営、執行に当る。
(3)運営委員の任期は 2 年とし、再選を妨げない。

(諸会議)
第12条 総会は、本会の最高の意思決定機関として、会長が年 1 回招集し、役員の選任、規約改訂(但し、細則は除く)、事業計画、予算、決算の承認を行う。
2 理事会は、必要に応じて会長が招集し、総会に提案する議案を審議する。
3 運営委員会
①運営委員会は、定例として月 1 回開催し、総会で承認された事業計画を具体化し、実行計画を策定する。
②総会で承認された事業に関連の深い事業の実施、或は現状に即した内容の変更は、特に理事会に諮らなくても運営委員会の決議に従って執行出来るものとする。
③第 5 条の事業の運営に必要な細則の制定、改訂は運営委員会の決定により行うことが出来るものとする。
④但し、次のような重要案件は必ず理事会の承認を必要とする。
10 万円以上/1 件の新規事業、その他本会運営の根幹に係わる事項
4総会、理事会及び運営委員会の議長は、会長が務める。
5 各会議で議決が必要な場合は、各々出席者の過半数の賛成により決する。

(漢詩サークル)
第13条 漢詩に興味を持ち、漢詩の勉強を希望する人を対象にした初心者入門講座を実施する。
2 入門講座終了後に漢詩鑑賞または詩作を継続的に勉強するため有志が集まって漢詩サークル(以下サークルという)を結成することが出来る。
3 サークル活動推進の助言、指導のため神漢連として講師を派遣する。
4 サークルには神漢連会員以外の人は参加出来ない。
5 サークルの活動は独自に、自由に活動することが出来る。但し、対外的な活動を行う場合は、事前に総務・企画グループに報告して了解を得るものとする。また、年度末には活動報告書と会員名簿を総務・企画グループに提出するものとする。
6 サークルの代表者は、サークルの活動の取り纏めの任に当たるとともに、運営委員として本会運営の実務を担当する。
7 サークル員及びサークル間の相互交流と親睦を図るため、サークル交流会を実施する。

(竹林舎)
第14条 漢詩に関する造詣が深いシニア会員が、会員の詩力向上及び本会の諸活動をサポートするため「竹林舎」を設置する。構成員を「竹林舎友」と称する。
2 入会資格は次の通りとする。
①漢詩に関する造詣が深く、かつ詩力が高いシニア会員
②本会の諸活動に対して日常的なサポートが可能な会員
③理事 3 名が推薦して理事会が承認した会員

(会計年度)
第15条 本会の会計年度は、4 月 1 日から翌年 3 月 31 日までとする。
2 本会の運営費用に充てるため、寄付金の申出がある場合は、これを受ける。
3 本会の運営上、行事費用が必要な場合には、その都度これを徴収する。

(事務局)
第16条 本会の事務局は、事務局長の自宅に置く。

(その他)
第17条 この規約に定めない事項については、理事会において協議して定める。

付則
1 本会の設立日は平成 18 年 10 月 14 日で、この規約は当日から施行する。
2 第 6条の定めにかかわらず、設立第 1 期の会長は、発足人会で選出する。
3 規約改定 平成 24 年 5 月 22 日(運営委員の設置、他)
4 規約改定 平成 27 年 5 月 20 日(理事会・執行理事会の役割明確化、竹林舎の設置に関する補則新設)
5 規約改定 平成 29 年 6 月 21 日(全漢連及び傘下友好団体との関係を明記、執行理事会の廃止、運営委員会の新設と役割の明確化、漢詩サークルの位置づけを明記、竹林舎の規約本文化、その他)
6 規約改定 平成 30 年 5 月 30 日(10 月 1 日以降に入会した一般会員の会費を改定)
7 規約改定 令和元年 5 月 29 日(会費未納会員の自然退会を未納期間 3 年を 2 年に改定
8規約改定 令和3年10月14日(準会員制度の廃止、特別会員の新設)