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今月の漢詩鑑賞 24.11更新 (過去の作品は アーカイブ に掲載中です)

画 鈴木栄次氏氏
室橋幸子氏による中国語の朗読はこちらをご覧ください。
【通釈】
起句 海を度って戦(いくさ)に出かけ、国に帰る日、
承句 鉄(よろ)衣(い)の袖に梅の若木を包んで持ち帰った。
転句 この梅の優雅な品格は何時までも清らかなおもむきを保っていて、
結句 あれから毎年、心静かに異国の花を賞(め)でているのだ。
【語釈】
朝鮮之役…文禄・慶長の役(1592―1597)。
載…舟や車にのせて運ぶ意。
後園…家の後の庭園。
絶海…①海を渡る。 ②遠く陸を離れた海。 ここでは①。
行軍…軍隊を進める。
鐵衣…よろい。 鎧。
裹…包む。
風流…みやびやかなこと。 品格の優雅なこと。
清操…清いみさお。
異域…外国。
【押韻】
平声 麻韻。芽、花、
起句は踏み落とし。
【解説】
伊達政宗(1567―1636)は戦国末期から江戸時代初期の奥羽の武将・仙台藩主。関が原の役に東軍に属し、仙台藩六十二万石の基礎を固めた。大阪の陣にも功をたて従三位権中納言の位階にのぼった。
幼少の頃より禅僧に学問・詩文の手ほどきを受け生涯に三十余首の漢詩を残した。
この詩は政宗晩年の作。それより前、文禄2年(1593)政宗二十七歳の年、兵を率いて海を渡り朝鮮の戦いに加わった後、帰国の際に持ち帰り庭に植えた梅樹について詠んだもので、その梅樹は今日尚現存するとされています。
詩は前半のいかにも戦国の世らしい表現と、後半のみやびな表現が融合し、武将の風流心が格調高く詠じられた美しい詩となっています。以上(玉井幸久氏)