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今月の漢詩鑑賞 24.5更新 (過去の作品は アーカイブ に掲載中です)

画 北川龍夫氏

室橋幸子氏による中国語の朗読はこちらをご覧ください。

【通釈】
起句 心地よいま昼時、中庭に橘の花が咲いた。
承句 すると、どんなにして知るのか蜂や蝶が次ぎ次ぎとやって来る。
転句 ひとしきりの穏やかな南風が、寺院の屋根の一角から吹き下ろすと、
結句 香り高い雪のようなまっ白い花びらが乱れ飛んで、庭の青あおとした苔の上に点々と散らばってゆく。

【語釈】
中庭…なかにわ。
日午…まひる。日中。 
橘…漢名の橘は狭義ではみかんの仲間のぽんかんを意味する。我が国では日本原産のたちばなに橘をあてる。いずれも花は香りが高い。
何…なに。どんな。
故故…しばしば。たびたび。
一陣…風や雨などのひとしきり。
南薫…①古代の聖天子舜(しゅん)が天下が治まり民が富むことを願って作ったとする詩「南風」をいう。〔孔子家語、辯樂解〕昔者、舜弾五絃琴、造南風之詩、其詩曰、南風之薫兮、可以解吾民之慍〈いかり〉。南風之時兮、可以阜〈ゆたかにす〉吾民之財兮……。②転じて 南風。初夏の風。温和で生物を育てる風をいう。
殿角…寺院の屋根のかど。
亂飄…みだれひるがえす。
香雪…香りのある雪。白い花の形容。
蒼苔…青あおとした苔。

【押韻】
平声 灰韻。開、來、苔、

【解説】
僧 善住(?―?)は元の僧。字は無住。別号は雲屋。呉郡の報恩字に住み詩を善くした。
この詩は初夏の寺院の中庭の、のどかで平和な風景を詠んだ気品ある一品として鑑賞に堪える佳作であるが、当時の政治情勢に鑑みると、詩は単なる情景描写ではないようにみえる。「南薫」は聖天子舜の故事を含み、「香雪」は善政を「靑苔」は人民を思わしめ、善政を渇望する民の思いを、収奪を専らにする政権に伝えんとする切実な諷刺の詩としても鑑賞することが出来る逸品です。以上(玉井幸久氏)