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令和8年度漢詩入門講座卒業詩優秀作品 フォトライブラリ掲載しました
㊗ 令和7年度全国漢詩大会 会員受賞作品 掲載
今月の漢詩鑑賞 26.7(過去の作品は アーカイブ に掲載中です)
画 後藤俊男氏
通釈】
起句 今夜は家の内は蒸し暑くてとても耐えられない、
承句 門を開いて外に出て見れば、月が高樹の上に青白く輝いている。
転句 仰ぎ見れば、天の川が南の楼閣の上に延々と涼味を湛えて流れているのだが、
結句 人間世界の為に一滴の涼味さえも借し与えてくれないのだ。
【語釈】
炎蒸…蒸し暑いこと。
蒼蒼…月の青白い色の形容。
天河…あまのがわ。銀河。
借…かす。助ける。
人間…人の世。俗世間。
【押韻】
平声 陽韻。當、蒼、涼、
【解説】
釋 宗泐(0308―0391)は浙江省臨海の人。元朝末期から明朝初期の臨済宗の僧。詩、書に優れまた儒教にも通じた博学の高僧であった。この詩は夏の一夜高樹の頂に蒼蒼と照る月と延々と流れる銀河の併せ作す涼味を逆説的に詠じたもので、作者自身自然と穏やかに語り合っているような品のある作品となっています。
なおこの詩は異音同趣の作とも云うべき北宋の詩人黄庭堅の詩「鄂渚南樓書事」(左記・令和3年9月本欄で鑑賞済み)と併せ鑑賞すると一層趣きを感じとることが出来ます。
鄂渚南樓書事 鄂渚の南楼にて事を書す 黃庭堅
四顧山光接水光 四顧 山光 水光に接す
凭欄十里芰荷香 欄に凭れば十里 芰荷香し
清風明月無人管 清風 明月 人の管する無く
併作南樓一夜涼 併せて作す南楼 一夜の涼
以上(玉井幸久氏)